ニコ・オルビア
麦わらの一味の考古学者ニコ・ロビンの母であるニコ・オルビアは、世界政府が禁止している古代文字の解読および「空白の100年」の研究を行い、オハラとそこに住んでいた考古学者とともにバスターコールによって滅ぼされたとされている。
エニエス・ロビー編で描かれたロビンの過去回想はワンピース作中でも重要な歴史の1つで、この間に何人もの重要人物が命を落とした。その中にはオルビアをはじめ、オルビアの逃亡を手助けしたDの名を持つ巨人ハグワール・D・サウロ、考古学者クローバー博士などが含まれる。
ワノ国編にて、百獣海賊団のキングが「ルナーリア族」であることが判明し、オルビアについてもその関連が疑われている。
身体的特徴
ルナーリア族の身体的特徴として黒い翼・白髪・褐色の肌を持つというものがある。ニコ・オルビアは白髪という特徴を有しているものの、褐色の肌や背中の燃え上がる炎、黒い翼は確認されていない。
しかし、純血のルナーリア族が百獣海賊団のキング(アルベル)以外に滅んでしまったという可能性を考慮すれば、幾度となく繰り返された混血によって特徴の一部が失われているということも考えられる。
作中において白髪の登場人物はほとんど存在しない。シルバーズ・レイリーやガープなど白髪の人物は登場しているが、若き日の彼らが黒髪であることを踏まえれば老いによるものである可能性が高い。
ニコ・オルビアがルナーリア族の血を引いているという根拠は主にルナーリア族特有の白髪という身体的特徴によるものだが、仮にそうだとすれば娘であるロビンも同様に血を引いていることになる。
実はオルビアが白髪なのに対してロビンが黒髪であることも、あえてオルビアを白髪にした理由と捉えることができる。親子の髪色を意味なく違うものにすることは少ないといえるからだ。特にロビンとオルビアは親子として同じ描写で明確に描かれ、両者の髪色の違いは強調されているようにもみえる。
ニコという姓
オルビアがルナーリア族の血を引いていると仮定すると、「ニコ」という姓に意味がある可能性が浮上する。
ルナーリア族であると考えられる太陽神ニカとの関連だ。「ニコ」も「ニカ」も発音が似ていることに加えて、両方とも笑う時の効果音として用いられている。
現在のところロビンやオルビアの太陽神ニカとの関連を示す描写はないため、ほとんど妄想に近い考察になるが、まだ否定はできない。
ロビンは歴史の解読と古代兵器復活を目論む「悪魔」と呼ばれたオハラの生き残り、そしてオルビアの子として「悪魔の子」という異名がついている。
しかし、世界政府が存在を揉み消そうとするほどの「太陽の神ニカ」は、世界政府にとってみれば「悪魔」そのものかも知れない。
ロビンが世界政府にとっての悪魔の末裔なのだとしたら、ロビンは本物の「悪魔」ということにもなるだろう。
オルビア生存の可能性
オルビアを含むオハラの考古学者は降り注ぐいくつもの砲弾にさらされながらも「全知の樹」に集まった世界中の知識を守ろうとした。
バスターコールによるオハラの学者たちの死因として考えられるのは砲弾を浴びたことによるものであるだろう。直接砲弾を受けることがなくとも、爆炎に焼かれて多くの人が命を落としたことが推測できる。
しかし、オルビアがルナーリア族の血を引いているならば、炎上による焼死はまず考えられない。
仮に生存していたとしても、世界政府から危険視されているために秘密裏に行動するしかないだろう。ハグワール・D・サウロが生存している可能性も含めて、ロビン以外の歴史の解読者とDの名を持つ巨人が生存しているという展開もおもしろいかもしれない。
問題点
オルビアがルナーリア族の血を引いているためにはいくつかの問題点がある。
実は、シャーロット・スムージーやスモーカー、ヤマトなど若干名ではあるが、現時点で説明がつかない登場人物が存在している。
ビッグマムやカイドウには身体的な何らかの謎が隠されているといえるため、これがルナーリア族の血統因子などに関するものであれば可能性はまだ残っている。
だが、スモーカーに関しては、今のところ説明できそうな情報がないといえる。
ミンク族が月の獅子化するときに白髪になるなど、ルナーリア族との関連が疑われる種族や人間が白髪であることで、まだオルビアとルナーリア族の関連を否定することはできない。
もっと単純に考えて、ルナーリア族が白髪という身体的特徴を持っていたからと言って、白髪の人間すべてがルナーリア族と関連があるというわけではないだろう。
カイドウとヤマトにも同様のことがいえるが、黒髪の親から白髪の子供が生まれることは遺伝的にはあまり起こることではない。いずれも片方の親が判明していないために遺伝的な判断を下すのは時期尚早といえるため、これからの新情報に期待したい。
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