ハグワール・D・サウロ
ハグワール・D・サウロはDの名を持つ元海軍中将の巨人です。
彼は〝空白の100年〟の研究を罪とする「世界政府」に疑問を抱き、海兵として護送していたロビンの母ニコ・オルビアの監獄船脱出を手助けしました。
その後、偶然辿り着いたオハラでロビンと出会い、バスターコールによる集中砲火からロビンを救いますが、元同僚で親友でもあったクザン中将(のちの海軍大将「青雉」)によって氷漬けにされてしまいます。
ロビンにとって命の恩人ですが、オハラの過去回想においてサウロ本人について詳しく語られることはありませんでした。
Dの名を持つ巨人という、非常に興味深い特徴を持っていながら、その出自や海軍入隊の経緯などは不明のまま、過去回想で帰らぬ人となってしまったのです。
サウロの生存説は非常に根強いものがあります。サウロの死には気になる点がいくつかあり、様々な状況や描写を考慮すると生存の可能性は十分にあり得るでしょう。
アイスタイムカプセル
サウロは〝青雉〟の攻撃により凍らされ、オハラとともにバスターコールによって死んだとされていますが、直接的な死因はわかっていません。

解凍できなければもちろん死に至りますが、ロングリングロングランドで一味が青雉と対峙した時のように、青雉の氷は瞬間的・直接的に死に至ることはありません。
青雉が親友であるサウロに情けをかけ、とどめをさしていないという可能性は十分に考えらえるでしょう。
青雉がサウロに使った技は「アイスタイムカプセル」という技で、その描写でしか使用していない技です。

「アイスタイムカプセル」が単なる遠距離攻撃の名称だとしても「タイムカプセル」という言葉をこの場で使用したことにはおそらく意味があります。
「アイスタイムカプセル」によりサウロが死亡したと思われる描写がある397話の題名は「未来へ届くように」です。
ここにはオルビア達考古学者がオハラの先人たちの知恵や書物を未来に残そうとしたという意味だけでなく、サウロに対する意味も含んでいた可能性があります。
タイム‐カプセル【time capsule】
デジタル大辞泉(Weblio辞書)
その時代の文化を後世に伝えるため、物品や記録などを納めて地中に埋めておく容器。
サウロに行った最後の技は「アイスタイム」であるため、これが最後のとどめという可能性も否定はできないが、サウロの生存の根拠としては十分でしょう。

作中でそのときを除いて一度も使用していない技を使用している点も注目だが、本来「アイスタイム」という技は解凍することが可能な能力です。
バスターコールの爆炎による高温状態で、解凍ができていれば、あるいは助かっているかもしれません。
しかし、問題はオハラから脱出する手段があったかどうかです。
おそらく避難船はすべて出航しており、島を出る術があったかどうかまではわかりません。しかし、サウロは能力者でないため、泳いで海を渡ることも可能かもしれません。
インペルダウンLEVEL.5

海底監獄〝インペルダウン〟のLEVEL.5〝極寒地獄〟では、氷漬けにされた囚人に対して「未来へ冷凍保存されたか」と語る場面があります。
ここからも作中において、「冷凍保存」という概念が存在することがわかります。
赤犬と青雉

大将だった「赤犬」と「青雉」は頂上戦争の後に「元帥」の座を争ってパンクハザードで決闘しています。
オハラにてバスターコールによる脱出船に乗る民間人の船を砲撃するほどの「徹底した正義」を見せた「赤犬」でさえ、同僚の「青雉」にとどめをさすことができませんでした。
つまり、このことからも「青雉」がサウロにとどめをさしたということは考えにくく、サウロ生存の根拠となり得ます。
パンクハザードの氷漬けの巨人

パンクハザードには氷漬けの巨人が存在しています。サウロがそこにいたかは定かではないが、パンクハザード編の終盤に青雉が登場していることは注目すべき点でしょう。
青雉がなぜパンクハザードに現れたかは判明しておらず、元帥の座を巡って赤犬と死闘を繰り広げた敗北の地にわざわざ現れたのには明らかに意味があったと考えられます。
パンクハザードに運ばれていたとすると輸送方法など様々な問題が出てくるが「氷漬けの巨人」と「青雉」の登場はサウロの生存を予見させます。
北欧神話の世界の始まり
パンクハザードとサウロの死に関する関係性は以上に述べた通りですが、もう1つだけ、パンクハザードと「北欧神話」の関係について述べておきます。
北欧神話における世界の始まりは、氷の国と火の国の間から最初の巨人ユミルが誕生する場面から始まります。
パンクハザードは北欧神話における世界観と酷似しており、巨人サウロが復活するという暗示になっているのかもしれません。




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