ワンピースと巨人

ワンピース研究・考察
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巨人族について

 ワンピースでは魚人族に次いで登場する種族が「巨人族」だ。 巨人族は「空白の100年」も含めてワンピース世界の重要な歴史の鍵を握っていると考えられている。

 巨人は数々の神話や伝説に存在する生物であるが、その名の通り巨体を持つ人型の生物のことである。

 巨人族との関係でまず思い出されるのは元巨兵海賊団船長のドリーとブロギーの故郷エルバフだ。

巨兵海賊団の2人のお頭(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 巨人族やエルバフの存在はワンピースでは相当序盤から登場しているが、未だに全容は明らかになっていない。

 世界政府が兵力増強のために人を巨人にする研究を古くからしていることやマリージョアに巨大な麦わら帽子が保管されていることからも巨人族の世界に与えてきた影響は多大であると想像できる。

人の巨大化(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 今回は巨人族の謎と歴史との関係について考察していく。

エルバフ

 エルバフは新世界に存在する巨人の国である。国王はロキという人物で、ウォーランドという島にあることが判明している。

 エルバフには巨大な木が存在しており、これが宝樹アダムであることはほぼ確定的である。

45巻のフランキーの発言。

「――ある…戦争を繰り返す島に…たとえ島に住む人間が砲弾のふり注ぐ戦争を始めようが島中の人間が死に廃墟と化そうが…ものともせず立ち続ける巨大な”樹” 何が起きても倒れねェ…人はまたその樹に寄りそい町を…国を作る 世界にたった数本…その最強の樹の名は宝樹”アダム”」

宝樹アダム(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 宝樹アダムが、エルバフに存在する理由は、

  • エルバフが描かれたシーンで巨大な樹が描かれていること
  • ウォーランドという名前から「war(戦争)」が想起されること

などが挙げられる。

 これが事実だとすると、宝樹アダムのある島は戦争を繰り返していたということ、島に住んでいた人間は幾度か滅びては新たな居住者が生まれていることがわかる。

 「エルバフ」という言葉に関しては、それが人名なのか神の名前なのかわからない。

 ドリーやブロギーの発言からも「エルバフ」はかつて実在した人物ではないかと思わせるものがいくつかある。

エルバフの「高き言葉」(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

戦いの神エルバフは一体何であるのか、未だに全貌は明らかにされていない。

古代巨人族とカイドウ

 巨人族について考えるにあたって古代巨人族の存在も忘れてはならない。ワンピースに登場するあらゆる種族の中で最強を決めるのならば古代巨人族が有力候補筆頭だろう。

世界最強の種族というとカイドウが思い出されるのではないだろうか。カイドウは「世界最強の生物」と呼ばれていて、ナミの「人間でもないの!?」という発言からも人間以外の種族であることが覗える。

 先ほどの仮説から考えるとカイドウと古代巨人族とのつながりが見えてくる。

 カイドウの外見は、古代巨人族であるオーズに酷似している。もしもカイドウが古代巨人族の血を引いているならばその圧倒的な強さや体の頑丈さにもうなずける。

 オーズは500年ほど前に国引き伝説を起こした張本人であり、これが伏線として描かれた可能性は非常に高い。

オーズ(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 カイドウがオーズの子孫であると仮定した場合、カイドウの根城である鬼ヶ島などがオーズの国引き伝説に関係しているかもしれない。現に鬼ヶ島では古代巨人族クラスの巨人の頭蓋骨や、巨大な剣などがあった。500年前にオーズが引っ張ってきた悪党の島は鬼ヶ島ではないかとも考えられる。

 カイドウは何度か海軍につかまっており、人体実験の実験体になっていた可能性もある。オーズのような古代巨人族などの戦闘力のある生物の血統因子を含んだことによって「最強の生物」になったのかもしれない。

 冒頭で説明した世界政府の推進する「人の巨大化」の研究をローが説明するシーンでは古代巨人族のような角の生えた巨人が描かれており、巨人研究と古代巨人族には深い関係があると考えられる。

 百獣海賊団のナンバーズも古代巨人族のような角が生えており、ワノ国で巨人族や古代巨人族の謎が明かされるかもしれない。

巨人族とビッグマム

 巨人族との関連ではビッグマムも忘れてはならない存在だ。ビッグマムは巨人族のような巨体を持ちエルバフの孤児院にいた時期があるが、両親はともに普通の人間である。

 また、彼女が巨人族最強の技「覇国」を使うことはできないが「威国」という類似した技を使用していることも重要だ。つまりビッグマムは巨人族とは似て非なるものであることが予想される。

 これにも血統因子操作の影響が考えられるが、なぜ巨人族のような体格と巨人族を上回る身体能力を子供のときから持ち合わせているのか非常に謎が多い。

巨人と氷

 カイドウの発言からオーズは氷の国から持ち帰ったことがわかっている。氷の国とは果たして何なのだろうか。パンクハザードの巨人の氷漬けといい、サウロが凍らされたことといい巨人族と氷には何か関係があるではないかと思えてくる。

氷の国

 チョッパーによるとオーズは氷の国で凍死したと診断されている。彼がなぜ「国引き」を行ったのか、その国は現在どこにありどのような人々が住んでいるのか、またなぜ氷の国で凍死をするような事態に陥ったのかなど多くの謎に包まれている。

 氷に関して言えば、宝玉氷床というドン・チンジャオしか割ることのできない氷漬けの財宝が存在する。

 これらは意図して描かれた歴史の残骸なのかはわからないが、よくよく読み込んでいると関連がありそうといえる。

パンクハザード

 パンクハザードの氷漬けの巨人に関しては囚人服のようなものを着ているため、囚人を使った巨人研究の人体実験によって巨人にされたのではないかと考えられる。パンクハザードは巨大な人の頭蓋骨が存在していることからもかつての巨人研究施設であった可能性が非常に高い。

ハグワール・D・サウロ

 サウロも青雉のヒエヒエの能力によってオハラで氷漬けにされている。

 サウロがDの一族である巨人ということは非常に注目すべき点でDの一族と巨人の関係、マリージョアにある巨大な麦わら帽子の謎を解く重要な手掛かりになる可能性が高い。

北欧神話と巨人

 巨人族と北欧神話との関係性も非常に深いものがある。エルバフの王子ロキに然り、ハイルディンのグングニルなどは北欧神話における巨人の名前である。

 また、北欧神話には「ラグナロク」とも呼ばれる終末の日が存在し、神々と巨人との戦いのようすが描かれている。

 ワンピースでは神話との関係が非常に深く、北欧神話も例にもれず参考にされている。

 少し、気になるのは北欧神話にヨルムンガンドと呼ばれる毒蛇が登場し、これとドリーとブロギーの言う「血に染まる赤いヘビ」(おそらく赤い土の大陸レッドライン)が関係しているのではないかということだ。これに関してはいつか言及する日が来ると思われる。

スリラーバークと巨人の関係も非常に深い。オーズや、ローラとロキの婚約などである。

 北欧神話でワンピースとつながりがあるように見えるのがフリームスルス(別名は霜の巨人、霧氷の巨人)。この巨人をモチーフにした巨人がスリラーバークのあるフロリアントライアングルの深い霧の中に今もなおいるのかもしれない。

終わりに

ここまで述べてきた内容を考慮に入れると、巨人族がワンピースの重要要素であることは間違いない。おそらく巨人族は空白の100年やDの一族と世界政府の原型となった組織との戦争にも大きな関係がある。おそらく巨人族はDの一族の味方であったはずだ、世界政府が巨人の研究をしているのも巨人を海軍に入隊されられなかった歴史があるのも巨人が敵であったことが関係しているのではないか。具体的な考察はまだできないが、巨人とワンピースの関係を深掘りすることで多くの謎が解けてくるのではないだろうか。

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