【ワンピース考察】〝ルンバー海賊団〟船長〝キャラコのヨーキ〟生存の可能性について考える

ワンピース研究・考察
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ヨーキは生きている

 〝キャラコのヨーキ〟は、ブルックが生前在籍していた〝ルンバ―海賊団〟の元船長である。

 〝ルンバー海賊団〟は今からおよそ50年前に〝偉大なる航路グランドライン〟に入った。〝西の海ウエストブルー〟からついてきたアイランドクジラのラブーンを双子岬に残し、再開を誓って世界を一周する航海に出る。

ラブーンとの別れ(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 だが、船長ヨーキは航海の途中で病にかかり、〝偉大なる航路グランドライン〟を離脱することとなった。

 〝ルンバー海賊団〟はブルックが船長を引き継ぎ航海を続けるが、彼らは〝魔の三角地帯フロリアントライアングル〟にて全滅、ラブーンとの約束が果たされることはなかった。

ヨーキの離脱(ONE PIECE 尾田栄一郎/集英社)

 全滅する運命だった海賊団の船長を直前に離脱させたことにはおそらく意味がある。

 実は病の症状として現れた特徴的なあざは、おそらく400年前に〝シャンドラ〟で流行った「樹熱」もしくはナミがドラム王国で感染した「ケスチア」と考えられる。

樹熱のアザ
ケスチアのアザ(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 いずれも現代の医療で確実に治る病気であり、〝海王類〟の住む〝凪の海カームベルト〟さえ無事に超えることができれば、彼は現在も生きている可能性が高い。

 だが仮に、ヨーキがブルックと同年代と考えても現在は90歳前後であるため、海賊として出会うことはまずあり得ないだろう。

 それではなぜ、作者はヨーキ生存の可能性を残したのだろうか。

ヨーキ生存の持つ意味

 結論から言えば、彼を生存させた目的は生き延びたヨーキが先に双子岬に到達し、ラブーンに真実を伝えるためではないだろうか。

 もちろん、最終的にはブルックが双子岬に辿り着くことで真実を伝えることになるだろう。

 しかし、何も知らずにガイコツ姿のブルックが現れるよりは、ヨーキが先にラブーンに再開している方がブルックにとっても感動と驚きが増すといえる。

 加えて、おそらくヨーキはブルックが王国の「奇襲部隊」から海賊になった経緯について知っており、同じ部隊出身の可能性すらある。

ブルックの過去(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 ヨーキは〝ルンバ―海賊団〟の結成秘話や結成以前のブルックの過去について語る役割を担っているのかもしれない。

 631話の扉絵にはクロッカスと酒を酌み交わす和装の人物が描かれた。この人物こそ、老齢を迎え、何とか双子岬に辿り着いたヨーキではないだろうか。

クロッカスと酒を酌み交わす謎の人物(ONE PIECE 尾田栄一郎/集英社)

 和装やワノ国特有の編み笠、髪の色などからこの人物は〝金獅子のシキ〟ともいわれているが、この人物には特徴的な頭の舵輪がなく、シキではないと考えられる。

 この人物がヨーキだとすれば、なぜワノ国発祥の編み笠を被っているのかなど疑問点は残るが、彼が双子岬に辿り着くまでの物語もまた、後に語られることになるだろう。

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