アイランドクジラ
アイランドクジラとは、西の海にのみ生息する世界一巨大なクジラである。双子岬で登場したラブーンをはじめ、魚人島から新世界に向かう途中にも登場している。
アイランドクジラの特徴としてまず挙げられるのが「額の傷」だろう。
この傷はラブーンが登場した当初は、ルンバー海賊団との再会を願うラブーンだけにみられるものであると考えられていた。
双子岬のラブーンはブルックが生前に所属していたルンバー海賊団について西の海からやってきたアイランドクジラであり、彼らの帰りを50年待ち続けて赤い土の大陸に頭を打ち付けていた。
しかし、実際には新世界で登場したアイランドクジラにも同様の額の傷が存在していることが判明している。
つまり、赤い土の大陸に頭を打ち付ける行動はアイランドクジラ特有の本能的なものである可能性が高いといえるだろう。
では、彼らはなぜ頭を打ち付けているのだろうか。
頭を打ちつける理由
結論から言えば、アイランドクジラが赤い土の大陸に頭を打ちつける理由は、彼らが分断された海の向こう側へ行こうとしているからであると考えられる。
西の海にのみ生息するアイランドクジラは、この「世界を分かつ壁」によって、偉大なる航路後半の新世界が位置している青色の星の半分の海にしか移動ができない。
ラブーンが頭を打ちつけ始めた動機から推察するに、彼らは隔絶された海で決して会うことのできない〝何か〟に会いたいと願う思いからこのような行動を起こしているとも捉えることができる。
ここで、魚人島編にて海王類たちが話していた「2人の王」についても触れておきたい。
生まれるよ……!!
ぼく達の王が生まれるよ…
遠い海でも生まれるね………
2人の王がまた出会う日をクジラ達も喜んでいる
出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社 第968話
これまでに述べたことを踏まえれば、「2人の王」が赤い土の大陸を破壊する未来をクジラたちが喜んでいると捉えることができるだろう。
この「2人の王」のうち、1人は既に判明している。世界を滅ぼしうる古代兵器ポセイドンの力を持つしらほし姫だ。海王類を従える力は魚人島の人々を乗せてノアを地上に送り届けるという役目を担う。
もう一人の王
赤い土の大陸を破壊するクジラ達の王がもう一人の王だとすれば、ルフィが最もふさわしいといえる。
根拠としては、マダム・シャーリーの予言が挙げられる。マダム・シャーリーは「麦わら帽子を被った人間が魚人島を滅ぼす」という予言を言っており、これまでのシャーリーの功績を鑑みるにこれは必ず起こる未来である。
なぜ、ルフィは魚人島を滅ぼすのか。それは、赤い土の大陸を破壊するためには直下にある魚人島を滅ぼすほどの威力が必要になるからである。
つまり、ポセイドンの力を持つしらほしが海王類にノアを引かせて人々を地上へ送り、ルフィが赤い土の大陸を破壊する。その副次的な結果として魚人島が破壊されると言うことになる。
「二人の王」についてはこの記事で詳しく考察しているので参考にしていただきたい。
ジョイボーイの果たせなかった夢
これまでに述べてきたルフィが将来行うことは「空白の100年」にジョイボーイが果たせなかった夢ではないだろうか。
ジョイボーイは魚人島の「歴史の本文」に当時の人魚姫に宛てた謝罪文を記しており、これは約束していたポセイドンの力を正しく導くという役目を果たせず、魚人島の人々や人魚姫の力になれなかったことへの謝罪であると推測できる。
彼が夢を果たせなかった理由はおそらく、「空白の100年」における敗北が大きな要因だろう。
800年の時を超え、意志はモンキー・D・ルフィにも受け継がれている。これまでに先人たちが残してきた思いを引き継ぎ、クジラたちの望む赤い土の大陸を破壊する日が来るかもしれない。
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