【ワンピース考察】〝空白の100年〟の重要な鍵を握るのは〝恋愛〟?―ワンピースにおける〝恋〟と〝美女〟―

〝空白の100年〟
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世界三大美女

 「世界三大美女」といえば日本では、クレオパトラ・楊貴妃・小野小町として知られるが、実はこれはワンピースにおいても反映されている。

 この3人の人物それぞれの出身をみてみると、クレオパトラ(7世)はエジプトのプトレマイオス朝最後の女王、楊貴妃は中国・唐の玄宗皇帝の妃、小野小町は日本の平安時代前期の歌人である。

 ここで、ワンピースにおける絶世の美女について考えると、まず思い浮かぶのはボア・ハンコック、・しらほし姫小紫(光月日和)などだろう。

絶世の美女(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 「世界三大美女」と対応する人物は、日本がモデルであるワノ国出身者の光月日和だけが該当しているようだが、実はハンコックの出身地・女ヶ島としらほし姫の出身地・魚人島はともに中国由来の建造物が存在する。

 特に女ヶ島は中国がモデルであることが公式に明言されており、山西省にある「懸空寺」を参考にしたと思われる断崖絶壁に建てられた街並みが特徴的だ。

 また、魚人島にあるリュウグウ王国の王宮は「天壇」という世界遺産でもある中国最大の祭祀施設がモデルとなっている。

 実は世界的に見た「世界三大美女」は、小野小町ではなくヘレネというギリシャ神話の女性が一般的で、魚人島には古代ギリシャ建築の「パルテノン神殿」や「ヘーパイトス神殿」、「デルフィ神殿」などがモデルになったと考えられる建物が存在している。

 しらほし姫がギリシャ神話に登場する海神ポセイドンと同名の〝古代兵器〟であることからも、その関連が覗える。

 では、「世界三大美女」の中で唯一対応が見られない絶世の美女の代表的存在「クレオパトラ」がモデルの人物は登場しているのだろうか。

 実は、この人物こそが〝空白の100年〟の重要な鍵を握る人物ではないかと予想している。

恋愛

  ワンピースの恋愛要素はそれほど多くないが、「世界三大美女」と関連が深い人物達にはそれぞれ恋に関するエピソードが存在する。

 まず、美女の代表格であるハンコックはルフィに恋をしており、女ヶ島の女帝達は代々恋の病に悩まされ、死に至る者もいたという。

死に至る病(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 また、ワノ国の花魁「小紫」こと光月日和には明確な恋愛的要素は描かれていないものの、その美貌を利用して悪党から金を巻き上げたり、仇敵であるオロチに気に入られることで、その地位を確立していた。母であるトキは〝トキトキ〟の能力による800年もの旅の終着点として光月おでんと恋に落ちている。

 魚人島の人魚姫しらほしは〝マトマトの実〟の能力者バンダー・デッケン9世の求婚に悩まされていた。この〝マトマト〟の呪いは、おそらく初代バンダー・デッケンの海王類を操る人魚姫を求め続ける意志によって受け継がれており、この恋も800年に明けた〝空白の100年〟の頃から続いていると考えることができる。

もう1つの恋愛

 ここで、クレオパトラに対応する人物に話を戻そう。

 ここまで述べた通り、「世界三大美女」に対応する人物達には恋愛要素があり、不思議なことにそのすべてが親や先祖にも恋愛的な要素が存在している。

 クレオパトラがエジプトの女王であることを踏まえると、ワンピースにおけるエジプトをモデルとした王国の女性が関係していそうである。エジプトをモデルにした国こそアラバスタ王国である。

 そして、「世界三大美女」に対応する最後の1人はアラバスタの王女ネフェルタリ・ビビである。

  アラバスタのネフェルタリ家は〝空白の100年〟の後に「世界政府」を樹立した20の王族の1つであったものの、聖地マリージョアへの移住を拒否した王家である。

 そしてネフェルタリという名称は、古代エジプト第18王朝の第10代の王イクナートンの妃であるネフェルティティがモデルとなっていると考えられ、彼女もまた謎多き美女として知られる。

 実はアラバスタにおいて少しだけビビの母についての言及がなされているが、彼女の名前はネフェルタリ・ティティという。

ティティとビビ(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 これまでを踏まえる限り、〝空白の100年〟に実在したネフェルタリ家の王女についても何かしらの恋愛要素があるのではないかと考えられる。

ネフェルタリ家とエジプト王

 古代エジプト王イクナートンの血縁者(腹違いの弟とされる)の1人は、イクナートン王家に預けられて、王妃ネフェルティティのもとで王女達とともに育てられることになるが、その人物こそが最も有名なファラオであるツタンカーメンである。

 ツタンカーメンは後の古代エジプト第18王朝12代目の王であるが、アラバスタの国王ネフェルタリ・コブラが12代国王であったことは偶然ではなさそうである。

第12代国王ネフェルタリ・コブラ(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 第908話ではイム様がビビの写真を眺める様子が描かれており、ビビが往年の王妃とそっくりだったという事実を踏まえても、ビビの先祖である女性が歴史の重要な鍵を握る存在である可能性は高い。

イム様とビビ(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 このアラバスタ王妃をめぐる1つの恋物語は、〝空白の100年〟における重要な鍵を握っている可能性があり、もしかするとネフェルタリ家が聖地マリージョアへの移住を拒否した理由とも関わってくるかもしれない。

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