【ワンピース考察】「龍と竜」―自由と支配の対立―

ONE PIECE
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龍と竜

 ワンピースにおいて登場するドラゴンは、中国や日本でよくみられる東洋の「龍」と西洋の「竜」が区別して描かれている。

龍(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)
竜(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 さらに、両者はそれぞれ「自由」と「支配」の象徴として描かれている。

「自由」と「龍」

 「龍」は「自由」と深く結びついている。

アラバスタ王国

アラバスタ王宮「大浴場」(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 アラバスタ王宮の大浴場には、龍の形をした湯口があった。アラバスタを治めるネフェルタリ家は、「世界政府」を創った王族達の中で唯一〝聖地マリージョア〟への移住を拒否した一族である。

リュウグウ王国

竜宮城(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 リュウグウ王国には「竜宮城」と呼ばれる「龍」の像の王宮がある。

 王宮の名には「竜」が用いられているのは、モデルとなった「浦島太郎」の物語で一般的に用いられている「竜」の字を採用したためと考えられる。

 魚人島には、歴史的に人間からの差別を受けてきた魚人族と人魚族が住んでいる。彼らは支配されることなく、本物の〝タイヨウ〟の下で暮らす「自由」を願っている。

 「リュウグウ」の名には、本来は「自由」と結びつく「龍」が用いられると考えられる。

ゾウ

〝昇り龍〟(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 ゾウへは、カン十郎が描いた龍(りゅうのすけ)に乗って「登象」した。ゾウはミンク族が暮らす「モコモ公国」が存在し、彼らもまた、差別を受けた歴史を持っていると考えられる。

ワノ国

 ワノ国は日本をモデルにしていることからもわかるように、「龍」を象徴する国である。

 〝青龍〟に化けるカイドウ率いる海賊達に対して、ピンクの龍である大将・光月モモの助が率いる「忍者海賊ミンク侍同盟」が戦いを挑んだ。

 また、ワノ国には霜月リューマは空に舞うを斬ったという伝説がある。ワノ国は「侍」という武人が住む鎖国国家である。

革命軍

革命軍の黒龍(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 総司令官ドラゴンが率いる「革命軍」の船には黒龍が用いられている。また、参謀総長のサボは「嵩取る権力を引き裂く為の〝竜の爪〟」で「竜の鉤爪」「竜爪拳」などの技で戦う。

〝爪〟(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)
〝竜の爪〟(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

「支配」と「竜」

 「竜」は「支配」と結びついている。

 象徴的な存在は〝天竜人〟で、彼らの奴隷には紋章〝天駆ける竜の蹄〟が焼印されている。

〝天竜人〟(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)
〝天駆ける竜の蹄〟(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 パンクハザードで登場したドラゴンは〝天竜人〟が気に入ってつけた名前があるという。彼らと「竜」の関係はおそらく過去の何らかの事件に由来していると考えられる。

パンクハザードのドラゴン(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

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