〝黄金郷〟海底沈没説
「そうだ!山のような黄金は海にしずんだんだ!!!」
モンブラン・ノーランド
400年前の植物学者モンブラン・ノーランドは、消えた〝黄金都市シャンドラ〟の「海底沈没説」を主張したが、その想いが届くことはなかった。
ノーランド再訪までの間に青色の星から姿を消した〝黄金郷〟は、〝突き上げる海流〟で空に運ばれ、400年もの間、空を漂っていた。
結果的に見れば、ノーランドの「海底沈没説」は消えたシャンドラの行き先を当てることはできなかった。しかし彼の主張は、思わぬ形である1つの歴史を示唆になっていた可能性がある。
もう1つの〝黄金郷〟
青色の星にはもう1つ〝黄金郷〟が存在する。それこそが「ワノ国」だ。
現在の「ワノ国」の海底には、もう1つの「ワノ国」が存在する。世界に「黄金の国」と認識されたかつての「ワノ国」は海底に沈没したのだ。
このようにノーランドの主張した説は思わぬ形で歴史と合致した。
「海底のワノ国」がどのような理由で沈んだかは定かではないが、シャンドラに関するノーランドの主張のように「地殻変動」による沈没の可能性も現段階では否定できない。
少なくともウォーターセブンのように、青色の星で海面上昇が発生していることは事実であるため、これが瞬間的な出来事もしくは長期的な変化によって起こったのかについては議論が必要である。
消えた王国
900年前に「連合国」との戦いに敗れた「巨大な王国」については、秘密裏に〝空白の100年〟について研究していた「世界最大の頭脳」を持つ男Dr.ベガパンクから推察できる。
ベガパンクはその名の通り大きな頭部を持っており、つまり「巨大な王国」の「巨大さ」はその王国の規模や支配力ではなく、物理的な大きさの可能性がある。
このような観点から見れば、「巨大な王国」には巨大な人間、つまり〝巨人族〟が住んでいたのかもしれない。
動植物を異常な速度で育む力
ワノ国で生まれた〝海楼石〟という鉱物は海と同じエネルギーを発しており、これに触れている間、能力者はいかなる能力も使用できなくなる。
〝海楼石〟に含まれる「パイロブロイン」は、空島の〝海雲〟と〝島雲〟の形成要因で、この成分は、「動植物を異常な速度で成長させる」という特徴を持っている。
つまり〝巨人〟とは、このパイロブロインの特性によって巨大化した人間ではないだろうか。〝古代巨人族〟について踏まえるとまだ議論の余地があるが、少なくとも可能性としてはあり得る話だろう。
藤山大噴火
ワノ国「花の都」には「藤山」という名の山が存在し、その名からわかるように「藤山」は日本の「富士山」をモデルにしている。富士山は現在も火山活動を続ける「活火山」である。
パイロブロインが「火山性の粒子」であることから、富士山と同様に「藤山」も過去に大噴火を経験している。
つまり、この「藤山大噴火」によって噴出した「パイロブロイン」が空の〝海〟と〝島〟を形成したと考えられる。
ビンクスの酒
海賊の唄「ビンクスの酒」は「別れの歌」である。
その一節「空にゃ 輪をかく鳥の唄」はワノ国の将軍家「光月家」を思わせる。つまり、「ビンクスの酒を届けに行く海賊達」は最初にワノ国を出航していたようだ。
〝歴史の本文〟を作りだし、海賊の起こりとなったワノ国こそが「巨大な王国」なのかもしれない。これはワンピースと関係の深い「テンプル騎士団」の伝説とも重なる。
ワノ国海底沈没説
ここまでの仮説を端的に表すのであれば、「巨大な王国」=〝海底のワノ国〟といえるだろう。
「巨大な王国」には〝巨人〟が住み、かつては「黄金の国」と呼ばれていた。
ワノ国の人々は背が高いことが時おり示唆されていることから、パイロブロインと巨大な人間には関係があることは明らかである。
作中には多くの巨大な人間が登場するためわかりにくいかもしれないが、ワノ国の人々は「海楼石」に含まれるパイロブロインの影響を少なからず受けているのだろう。
特に、兄妹の関係にあって一方は海へ、もう一方はワノ国で過ごしたイゾウと菊の身長がそれぞれ192cmと287cmであることから、パイロブロインの影響が示唆されている。
普段は地表に現れることの少ないパイロブロインが噴火によってもたらされたことで、空島ではその影響をより強く受けている。
ちなみに〝黄金郷〟の物語が描かれた空島編に登場した「巨大豆蔓」は有名なイギリスの童話「ジャックと豆の木」をモデルにしており、この物語には巨人が登場する。
また、空島編の冒頭で巨大な翼を持った人間の影が現れたことも、終盤に巨大なルフィの影が現れたことも巨人と空島の関係を示唆する描写だったのかもしれない。
そしてかつて「黄金の国」と言われた〝黄金郷〟ワノ国は数百年の時を越え、新たにワノ国将軍の座に就いた光月モモの助によって〝桃源郷〟に姿を変えるのである。
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