ハヌマーン
ハヌマーンとはインドの叙事詩『ラーマーヤナ』で活躍する猿の英雄で、インド神話の猿神ある。このハヌマーンがルフィのモデルであるという根拠は多くある。
まずはハヌマーンが「変幻自在の体を持ち、大きさや姿を自由に変えることができる」という点である。これはゴムの体を持ち、巨大化するルフィにも当てはまる特徴といえる。ギア3の反動で小さな体になったこともある。
その他にもハヌマーンとルフィにはいくつかの共通点があり、尾田栄一郎氏がもしハヌマーンの特徴をルフィに当てはめているとすれば、ルフィの家族にまつわる謎が解明するかもしれない。
今回はハヌマーンとルフィの関連性について考察していく。
ハヌマーンとルフィの共通点
ハヌマーンとルフィの共通点を以下にまとめた。
- 自由に姿を変えることができる
- 空を飛ぶことができる
- 4つの猿の顔と1つの人間の顔を持つ→4段階の「ギア」と〝ヒトヒトの実〟の覚醒「ギア5」
- 火神アグニの加護を受けている→〝メラメラの実〟のエース、サボの加護
- 山を動かすほどの怪力→覚醒によるさらなる「腕力」
- 太陽と果実を間違えて、インドラのヴァジュラで打ち抜かれ転落死する(後述)
- 孫悟空のモデル(後述)
顎骨を持つ者
ワノ国編にて、ルフィが食べた〝悪魔の実〟が「ヒトヒトの実 幻獣種 モデル〝太陽の神ニカ〟」であることが明かされた。第1巻から、この実は「ゴムゴムの実」として扱われていたが、この名前はこの実の存在を消すために「世界政府」が与えた名前であった。
注目すべきは能力の覚醒条件で、この能力の覚醒には能力者自身の死との関連が疑われている。
第1042話にて世界政府の命に従って現れたCP0によってカイドウの渾身の一撃を受けて死んだと思われたルフィは第1044話で能力が覚醒したことにより復活を果たす。
実はハヌマーンは「果物と勘違いして太陽に近づき、インドラの雷によって顎骨を砕かれて転落死するものの、さらなる強さと叡智を得て復活する」という逸話がある。
ルフィはこれまでに「威鼓」という雷技を放つビッグマムと「雷鳴八卦」を放つカイドウと戦ってきており、覚醒直前のカイドウの一撃は「砲雷八卦」であることからもインドラの雷を受けて死亡したルフィと共通する部分がある。
また、第1話におけるルフィは果物と間違えて「悪魔の実」を食べたことで、〝太陽の神〟の能力を手にしたこともハヌマーンとの関連が示唆されており、ここからもハヌマーンとルフィの関係性が見いだせる。
孫悟空
実はハヌマーンは孫悟空のモデルであるといわれている。孫悟空と言えば、最も有名な『西遊記』に登場する人物だけでなく、ワンピースの作者である尾田栄一郎が「神様」と尊敬している漫画家・鳥山明先生の作品『ドラゴンボール』の主人公でもある。
尾田栄一郎氏はこの孫悟空のモデルと言われているハヌマーンを自らの漫画の主人公のモデルとして描くことで鳥山明先生に対する敬意を表現しているのかもしれない。
また、覚醒状態のルフィの眉毛は『西遊記』の三蔵法師が孫悟空の頭につけた輪っか「緊箍児」と類似しており、ここでも孫悟空とルフィと関連が描かれている。
また、孫悟空は「如意棒」という自由自在に伸縮可能な棒と「筋斗雲」という雲を扱うが、〝麦わらの一味〟の船員であるナミが扱う「魔法の天候棒」としもべのゼウスは孫悟空が使用するそれぞれの道具と関連がある。
猿神銃バジュラングガン
カイドウの一撃から復活したルフィは「猿神銃」という技をカイドウに放つが、この「バジュラング」という言葉は実はハヌマーンの別称である。
ワノ国編における戦いはビッグマムの「威鼓」だけでなくゾロの「阿修羅」や「閻魔」、象主などハヌマーンが登場するインド神話と関係のある言葉が登場しており、ハヌマーンとルフィと関係性は疑いようがないといえる。
ちなみに『西遊記』の孫悟空が目指していた「天竺」は中国や日本で用いられていたインドを表す言葉である。
両親
また、注目すべきはハヌマーンの両親である。父ヴァーユと母アンジャナーはそれぞれ、風神、天女であり、これもルフィに関係している可能性がある。
ルフィの父であるドラゴンは常に風の吹く描写と共に描かれ、ローグタウンではスモーカーにルフィが捕まった際に現れ、突風が吹いたことでルフィが助かるという場面が描かれている。ハヌマーンの父が風神だとするとルフィの父も風を操る能力者である可能性は高い。
また、ルフィの母親に関しては作中では全く触れられていないものの、第27巻の表紙に描かれた翼を生やし片目を閉じたルフィに代表されるようなルフィと月の血筋の関連から、天女であるハヌマーンの母の存在は非常に興味深いといえる。
コメント