〝赤髪〟と〝黒ひげ〟
〝赤髪〟のシャンクスと〝黒ひげ〟マーシャル・D・ティーチの因縁についてはこれまでに何度か示唆されてきた。
ティーチが所属していた〝白ひげ海賊団〟で当時の4番隊隊長サッチを殺した時、真っ先に〝黒ひげ〟という人物の危険性を〝白ひげ〟に警告したのはシャンクスだった。
シャンクスとティーチがこれまでの単行本の表紙で必ず共に描かれていること、〝赤髪〟と〝黒ひげ〟という異名からも彼らの因縁が示唆されている。
頂上戦争では〝黒ひげ〟が〝赤髪〟に対して「時期が早ェ」と発言しており、彼らの〝最終章〟での激突は必至といえる。
そして、実はドレスローザ編においても彼らの因縁を示唆する描写が描かれている。
メイナードと〝黒ひげ〟
第705話〝追撃のメイナード〟では、コリーダコロシアムにキャップマンという名前で潜入した海軍中将メイナードが登場する。
メイナードとは、実在した悪名高き海賊「黒髭(エドワード・ティーチ)」を殺害したイギリス海軍の大尉の名称である。
実際の歴史のように、メイナード中将が黒ひげを倒すとは考えにくい。では、ドレスローザで登場した海兵に「黒髭殺し」のイギリス海兵の名を用いたことにはどのような意味があるだろうか。
注目すべきは、メイナード中将を倒した人物がルフィを崇拝するバルトロメオという点である。
「麦わら大船団」の一員であるバルトロメオがメイナードを倒したという構図から、ルフィが〝黒ひげ〟を倒す構図が浮かび上がる。
コロシアムには〝黒ひげ海賊団〟1番船船長のジーザス・バージェスが出場しており、ルフィはバージェスを通じて〝黒ひげ〟と電伝虫で会話をしている。
メイナードの存在は〝最終戦争〟における〝黒ひげ〟とルフィの戦いを暗示するしている。
さらに注目すべきは、バルトロメオがメイナード中将を倒した理由である。バルトロメオは自らが率いる海賊団バルトクラブの宣教師ガンビアをメイナードに倒されたことで彼と戦った。
この構図が〝最終章〟で採用されるならば〝黒ひげ〟はルフィと親しい人物を倒す可能性がある。
それが〝黒ひげ〟と因縁のあるシャンクスなのか〝麦わらの一味〟の誰かなのかはわからないが、少なくともメイナードの存在はルフィと〝黒ひげ〟の戦いの結末を物語っているかもしれない。
シャンクスの左腕
ドレスローザ編で最初に登場したオモチャは犬に左腕を奪われた人形だった。
これは冒頭に描かれた何気ない一場面かもしれないが、「犬と片腕の人形」といえば地獄の番犬ケルベロスがモデルの〝黒ひげ〟と隻腕のシャンクスが想起される。
これは単なる偶然ではない。ドレスローザにはあまりにも多くの「片方がない」人物が登場する。
例えば、ドレスローザの囚人剣闘士が登場した場面では2人の片腕の人物が描かれた。
また、「片足の兵隊」として登場していたオモチャはコロシアムの伝説の剣闘士キュロスだった。
さらに、ドレスローザ最終決戦ではローがドフラミンゴに右腕を斬られている。
とはいえ、時系列で考えれば〝黒ひげ〟が〝赤髪〟の左腕を奪ったとは考えにくい。
しかし、彼が左腕を失ったことに対する不自然さ、年齢と移動の謎を考慮すれば、ドレスローザ編で描かれたこれらの描写に対する何らかの〝答え〟が見つかるかもしれない。
〝新時代〟
シャンクスが早くから〝黒ひげ〟の危険性を察知できた理由の1つは、彼が〝黒ひげ〟に負わされた「左目」の傷である。
この時、〝白ひげ〟との会話で失った「左腕」について問われた〝赤髪〟はこう答えた。
〝黒ひげ〟と〝赤髪〟の因縁、左目の傷と失った左腕、シャンクスの見据える〝新しい時代〟とはどのようなものなのか。
海賊でありながらマリージョアに出入りできるのはなぜなのか。ラフテルから帰ってきたロジャーの前でなぜは泣いたのか。
謎多き〝赤髪〟の正体と〝黒ひげ〟との因縁は〝最終章〟で明かされる。
コメント