【ワンピース考察】珍獣の島ガイモン編にはどのような意味が隠されているのか

ONE PIECE
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あんたが珍獣

 ガイモンが登場したのは第3巻22話〝あんたが珍獣〟においてである。

  バギーを倒し町を出航したルフィ・ゾロ・ナミの3人はある孤島に辿り着く。ゾロは戦闘によるケガにより小舟で寝ていたため、正確にはルフィとナミのみの上陸であるが、この島には奇妙な動物が多く生息しており、2人はそこで森の番人と名乗る人物に出会う。

 それこそがガイモンであり、彼は宝箱にはまってしまったために20年間もこの島に1人でいる住人だった。22話ではバギーとの戦闘で破れてしまった「麦わら帽子」をナミが直す場面から始まり、ナミによる〝赤い土の大陸レッドライン〟の説明があるなど何かと意味深な回として有名だ。

 ガイモンは20年前に〝財宝〟が眠ると記されていた地図を頼りにこの島に上陸したが、総勢200人で3週間捜索するものの、カラの宝箱しか見つからなかった。しかし、3週間もの間船長がいたという大岩の上を誰か探したのか疑問に思ったガイモンが岩を登ると、そこには宝箱があった。そのとき彼は岩から転落し、カラの宝箱にハマったのである。

 ガイモンの話を聞いたルフィは大岩に登り5個の宝箱を見つけるが……。

ガイモンの宝(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 ガイモンが20年守り続けてきた宝箱には中身がなかった。ガイモンによれば「宝の地図が存在する財宝は地図を手にした時点で宝が既に奪われていることがよくある」ようだ。

 この珍獣の島におけるエピソードは物語終盤の重要な伏線をはらんでいると言われている。ではこの22話にはどのような意味が込められているのだろうか。

世界を買う

「世界を買っちまえ!!」(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 この第22話では〝ワンピース〟という言葉が何度も登場する。物語序盤であり〝偉大なる航路グランドライン〟に入る直前の出来事でもあるため当然ともいえるが、ガイモンが放った台詞で注目すべきものがある。

「〝ワンピース〟はお前が見つけて世界を買っちまえ‼」

出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社 第3巻第22話

 この「〝ワンピース〟を見つけて世界を買う」という表現は作中ではここでしかされていない。もちろんガイモンはワンピースの正体を知っているわけではないため、全く意味をなさない表現かも知れないが、何かを示唆しているという可能性も否定できない。

宝がなかった

 このガイモン編で注目すべき点は「長年探し回った宝がなかった」という点だ。これは22話でも再三登場する〝ワンピース〟との関連が疑われる。

ワンピース(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

  海賊王が残した秘宝〝ワンピース〟が実はなかったということはまずあり得ないだろう。だとするとこれは何を意味するだろうか。

  この話からは「宝が存在しない」のではなく「最後の島に宝が存在しない」という可能性が浮かび上がる。このことは〝偉大なる航路グランドライン〟の記録ログが示す最終地点は「水先星ロードスター島」であり、そこに「ラフテル」が存在しないことは既に明らかになっている。ロジャー曰く「ラフテル」には「行き方」が存在するようだ。

 しかし、現時点で〝麦わらの一味〟はそのことを知らないため、ロジャー海賊団と同じようにラフテルと水先星ロードスター島を勘違いする可能性が高い。

 彼らは既に古代兵器や古代文字などについて知っているためロジャーのように冒険をやり直すことはない、もしくはあっても最小限といえるが、ガイモン編とワンピースの関係性については「ワンピースは存在しない」のではなく、彼らが目指す「〝偉大なる航路グランドライン〟の記録ログの最終地点「水先星ロードスター島」に〝ワンピース〟が存在しない」と解釈することができるだろう。

ゾロ

ゾロと珍獣の島(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 次に注目すべきは上陸しなかったゾロである。作者がこの島にわざわざゾロを上陸させなかったことにも理由があるのではないだろうか。

 まず考えられるのは「最後の島(水先星ロードスター島)に辿り着くときゾロがいない」という可能性だ。

 ゾロはローグタウンで手にした「三代鬼徹」の呪いや毎度普通の人なら死んでいるほどの重傷を負っていることから、一味の中でも特に死亡説が囁かれている人物である。

 ゾロが「水先星ロードスター島」に上陸できないとしたら、その理由はいったい何だろうか。

 最後の島を目前にゾロが死ぬという可能性は現時点では否定できない。しかし、ルフィにとって最初の仲間であり、尾田栄一郎氏の死生観から考えてもゾロが死ぬ可能性はあまり想像できない。

 他の可能性としては何らかの理由でゾロが麦わらの一味を一時的に離脱するということは大いに考えられる。幸い、珍獣の島と対応している最後の島はラフテルではないため、おそらくゾロがラフテルに行くことができるかもしれない。

 ゾロの離脱に関しては、重傷による集中治療やミホークとの最終決戦、迷子など、考えうる可能性は十分にあるため、今後ゾロが離脱して「水先星ロードスター島」に行けないようなことがあれば、ガイモン編のエピソードが伏線だったのかもしれない。

麦わら帽子

 最後に「麦わら帽子」についても考えてみたい。

 先述のように珍獣の島が描かれる第22話ではバギーに3本傷を入れられた「麦わら帽子」をナミが直す場面が最初に描かれる。

麦わら帽子(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 「麦わら帽子」と言えばルフィのトレードマークでもあり、恩人である赤髪のシャンクスからもらった大切な宝である。シャンクスが黒ひげから受けた左目の傷も3本であるため、ここにも何らかの示唆が含まれている可能性はあるかもしれない。

 麦わら帽子はおそらくはもともと海賊王であるロジャーがシャンクスに渡したモノでもあるため、判明している限りでは3人で受け継いだ大切な帽子であるといえるだろう。最後の島では当然この麦わら帽子の重要な意味も明かされると思われる。

青色の星の謎

赤い土の大陸レッドライン〟(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)
〝偉大なる航路〟(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 ガイモンが登場した第22話では〝赤い土の大陸レッドライン〟と〝偉大なる航路グランドライン〟のまつわる話が描かれている。

 ルフィ達が航海を続ける「青色の星」には多くの謎が存在し、海を分断するような地形がどのように形成されたのかわかっていない。

 ガイモン編は様々なワンピースの謎に関する話が登場しており、1話だけ急に差し込まれている違和感からも重要な意味を持っているとする説が根強い。ガイモンは〝ゴムゴムの実〟に関する言及もしており、何らかの意味を持っている可能性はあるといえる。

 全てが明かされた後に第22話を読み返すことで、新たな発見があるかもしれない。

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