【宗教とワンピース】〝ルナーリア族〟と『キリスト教』

ONE PIECE

アルベル

 ルナーリア族は、黒い翼に褐色の肌、背中の燃える炎を持ち、自然界のあらゆる環境で生き延びることができる種族である。これまでに百獣海賊団のキングがこの種族であることが判明している。

 キングにはアルベルという名があり、旧約聖書『創世記』にはアベルという人物が登場する

 アベルは神に創られた最初の人類アダムとイブの子供で、カインという兄がいる。アベルは人類最初の殺人の被害者と言われており、彼を殺したのは兄のカインだった。

神の国

 〝聖地マリージョア〟ができるずっと昔、〝赤い土の大陸レッドライン〟の上にはルナーリア族の住む「神の国」があったという。「神の国」は、キリスト教の根本的信仰である。

 つまり、『創世記』には両親が神の作った「エデンの園」から追放されたアベル、ワンピースには祖先が「神の国」から追放されたアルベルが登場するのだ。

 アベル殺害の物語は〝ルナーリア族〟の滅亡と関係している可能性がある。

※空島編においては〝神〟エネルの支配する翼を持った天使の国「スカイピア」が登場した。〝神〟は〝麦わらの一味〟によって追放されることになる。

熾天使

 「セラフィム」は〝ルナーリア族〟の特徴を持った「政府」の新型のパシフィスタである。

 セラフィムとは、『旧約聖書』における天使の階級の1つで「熾天使してんし」とも呼ばれる。「熾」には「火が盛んに燃える」という意味があり、神への愛と情熱で体が燃えている様子を表している。

 熾天使は6枚の翼を持つとされ、新型兵器「セラフィム」もまた、燃える炎と翼を持っている。

 熾天使は「神の玉座を守護する者」とされ、この世の〝神〟である〝天竜人〟と〝虚の玉座〟に座る最高権力者イム様を守護する「セラフィム」と共通している。

堕天使

堕ちていく天使(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 「堕天使」とは『キリスト教』において悪魔と同一視される存在で、天界から下界に堕ちた天使のことをいう。これもまた、〝赤い土の大陸レッドライン〟から堕ちた〝ルナーリア族〟と通ずる部分がある。

 一般的に黒い翼で描かれる堕天使は〝ルナーリア族〟の特徴にも当てはまる。堕天使は神に反逆し、天界における天使との戦いで敗北したために下界に堕とされたという。

太古に生きた翼を持った〝月の人〟
(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 短期集中表紙連載「エネルのスペース大作戦」では、太古に生きたという翼を持った〝月の人〟の姿が描かれており、彼らは「天使」と呼ばれている。

 天使の軍団は大天使ミカエル、堕天使の軍団はルシファーが率いたとされ、この天界における戦争の物語はワンピースでもモデルにされる可能性がある。

〝天使〟(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

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