【ゲームとワンピース】ゾロとチンチロリン

ONE PIECE

〝運〟

東の海イーストブルー〟編ローグタウンにて、〝麦わらの一味〟の剣士ロロノア・ゾロは、腰にした者が非業の死を遂げる〝鬼徹〟という刀の〝呪い〟と自らの〝運〟を試した。

ゾロと〝運〟(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 エニエス・ロビー編においても、空を飛んでいる海列車ロケットマンに乗る彼が自らの行く末を〝運〟に委ねている描写が描かれている。

 これまで、ゾロと〝運〟の結びつきが描かれてきた背景には、彼と非常に関係の深い、ある賭博遊戯の存在がある。

丁半

 1つは、江戸時代中期から後期にかけて成立した丁半という遊戯である。

 丁半では、2つのサイコロをツボへ入れて盆茣蓙ぼんござに伏せ、ツボを除いて出た目の合計が丁(偶数)か半(奇数)かで勝負を決める。

丁半とレイリー(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 この時、サイコロが2つとも同じ目を出すことをゾロ目といい、これがゾロという名の由来と考えられる。中でも1のゾロ目をピンゾロと呼び、これは彼の祖父の名である。

 ゾロ目(揃目)はサイコロに限らず、2桁以上の数字が揃っていることを意味する言葉で、ゾロの誕生日が11月11日であることからもその関連がうかがえる。

 また、博打において、賭博場の借り賃として賭金に応じて一定の割合で貸元や席主に支払う手数料をテラ銭と呼び、これはゾロの母テラの由来と考えられる。

 ピンゾロの妻でゾロの祖母に当たるフリコは、ツボを振る者をツボ振りと呼ぶことから名づけられたのだろう。

ゾロの家系図(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

チンチロリン

 丁半によく似た賭博遊戯として、チンチロリン(チンチロ)というものもある。

 こちらは3つのサイコロを椀に投げ入れ、その出目に応じた役の強さによって勝敗を争う。チンチロリンという名は、サイコロを投げ入れる音からつけられた。

 こちらもゾロ目・ピンゾロといった役が存在し、ゾロ目の別称アラシはゾロの父の名である。

 3つのサイコロがそれぞれ「4・5・6」の出目だった場合はシゴロといい、これは最も強いピンゾロとその他のゾロ目に次いで強い役である。

 スリラーバーク編にてゾロは〝カゲカゲの実〟の能力者ゲッコー・モリアによって影が切り取られ、〝風のジゴロウ〟という人物の体に入れられた。

 この〝風のジゴロウ〟は、シゴロが由来と考えられる。

 また、最も弱い役としてヒフミと呼ばれる「1・2・3」の出目の役があるが、これに関連する人物は登場していない。

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