ルフィvs〝麦わらの一味〟
実は船長モンキー・D・ルフィ率いる〝麦わらの一味〟は一味の船員の多くが船長と決闘している。
決闘とは相互の同意によって行われる闘争のことで、一般的には1対1でなされる。決闘の原型はゲルマン民族の風習とされ、フランスでは15世紀末頃から「名誉のための決闘」が生まれた。
ワンピースにおける決闘も単なる戦いとは異なっており、実在の歴史における伝統的な決闘の一部を踏襲していると考えられる。
ルフィと〝麦わらの一味〟の決闘と言えば、まず思いつくのはウソップやサンジだろう。
長い間一緒に過ごしていればケンカをすることは当然のことかもしれないが、特にルフィvs〝麦わらの一味〟はサブタイトルになっていることが多く、印象的に描かれているようだ。決闘の発端も単なるケンカから意見の相違など様々である。
今回はルフィと〝麦わらの一味〟の船員の決闘を紹介していく。
ルフィVSゾロ

最初にルフィと戦ったのはルフィにとって最初の仲間であるゾロで、このケンカは112話〝ルフィVSゾロ〟において描かれている。
ケンカの発端はウイスキーピークで〝麦わらの一味〟をもてなした人々をゾロが斬った「ウイスキーピークの100人斬り」ことで、ウイスキーピークの謀略にいち早く気付いたゾロと気付かなかったルフィの決闘となった。
このケンカは最終的にナミが止めることになるが、彼らはこのケンカの最中にバロックワークスのオフィサーエージェントであるMr.5とミス・バレンタインを倒したことで、結果的にアラバスタ王国の王女ネフェルタリ・ビビを救うことになった。
ルフィvsビビ

双子岬からアラバスタ王国まで行動を共にしていたビビは紛れもなく〝麦わらの一味〟の仲間であり、アラバスタ王国においてルフィはビビとも戦っている。
このケンカは厳密には決闘とは異なるが、第166話〝ルフィvsビビ〟としてサブタイトルになっている。
全てを1人で背負うビビに対してルフィは、ビビ1人の命を賭けただけで反乱は止まらないこと、自分達も命を懸けて戦うことを伝えた。
ルフィvsウソップ

332話〝ルフィvsウソップ〟ではメリー号修理のためにウォーターセブンを訪れたルフィとウソップの決闘が描かれる。
メリー号はもう海を走ることができないと伝えられたルフィは苦渋の決断の末にメリー号を手放すことを決意する。
メリー号はウソップの故郷シロップ村のカヤからもらった大切な船であり、ウソップはメリーを捨てることを拒んでルフィとケンカになる。
これまでの冒険でルフィ達の化け物じみた強さに対し自分の弱さや不甲斐なさを感じ、引け目を感じていたウソップはメリー号をめぐってルフィと決闘することを決意する。
結果ウソップは敗北し一味を抜けるが、その後のエニエス・ロビーにおけるロビン・フランキー奪還には「そげキング」として参戦している。
最終的にウソップは謝罪をして無事仲間として戻ってくる。
ルフィVSフランキー

336話〝ルフィVSフランキー〟ではウォーターセブンで「解体屋」をやっていたフランキー一家の頭フランキーとルフィの戦いが描かれる。
ルフィ・ゾロ・サンジ・チョッパーの4人は空島で手に入れた船の修繕費用である大金を奪うためにウソップを襲ったフランキー一家の屋敷であるフランキーハウスに乗り込み、崩壊させた。それに怒ったフランキーがルフィの前に現れ、両者は戦うことになる。
この決闘の時点でフランキーは一味に加入していないが、後にサウザンド・サニー号を造り、自分の夢のために海賊になることを決意する。
ルフィVSルフィ

470話〝オーズVS麦わらの一味〟ではルフィの影が入った「国引き伝説」の魔人オーズと当時の〝麦わらの一味〟全員が戦っている。
そして実はルフィは自分自身とも戦っている。478話〝ルフィVSルフィ〟ではスリラーバークにおいてゲッコー・モリアの「カゲカゲの実」の能力によってルフィの影が入った凶戦士オーズと500体の影が入ったルフィが戦った。
この「ナイトメア・ルフィ」は驚異的な力を見せてオーズを圧倒し、これがルフィの影が入ったオーズとルフィの戦いとなった。
ルフィvsサンジ

844話〝ルフィvs.サンジ〟ではヴィンスモーク家の三男として政略結婚する覚悟を決めたサンジとサンジを連れ戻しに来たルフィの決闘が描かれる。
サンジは「人殺しの一族」とも呼ばれる自らの家系を嫌っていたが、彼にとって大切な〝麦わらの一味〟とバラティエのコックを人質に取られたために自分の夢をあきらめることを決意した。
ルフィを追い帰すために力いっぱいの攻撃を放ったサンジであったが、サンジと戦う意思のないルフィは反撃しなかった。
ルフィvsジンベエ

魚人島編ではサブタイトルにはなっていないものの、ルフィと一味加入前のジンベエの決闘が描かれている。628話〝大掃除〟にて、今すぐにでもホーディを倒そうとするルフィを止めようとしたジンベエが629話〝立ちふさがる元七武海〟にてルフィと決闘する。
残りの船員
これまでにルフィと決闘していないのはナミ、チョッパー、ロビン、ブルックの4人だけである。彼らすべてがルフィと決闘するかは定かではないが、いつか彼らとの決闘も描かれるかもしれない。
ナミやロビンは男の決闘に関心があるとは思えないため、ルフィと決闘することはないかもしれないが、何らかの理由でルフィと意見が一致せずケンカになる可能性は否定できない。
ルフィと〝麦わらの一味〟の船員は時に決闘やケンカをすることで仲間としての絆を深めてきたという側面がある。全員がルフィが海賊王になることを信じており、この固い絆が〝麦わらの一味〟を成長させている要因の1つであるといえるだろう。
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