エルバフ
エルバフは新世界ウォーランドに存在する国で、その名が初めて登場したのは第116話に登場した巨人ドリーとブロギーの発言である。
リトルガーデンには100年前に世界を震撼させた〝巨兵海賊団〟を率いた2人の船長ドリーとブロギーが住んでおり、彼らは100年間もの間決闘を続けていた。
ドリーとブロギーがエルバフ出身であることから、リトルガーデンではエルバフについての多くが語られており、エルバフが実在した人物と思われる発言がいくつも登場している。
エルバフの神
ドリーによれば〝偉大なる航路〟のどこかにエルバフという村があるという。エルバフは少なくとも〝巨兵海賊団〟が各地で暴れていた100年前まで村だったが、現在は国となっている。
「エルバフの神」はエルバフの巨人達の信仰の対象であり、常に正しき者に加護を与えるという。
リトルガーデンでは「エルバフ」と〝神〟を結びつける発言が何度も登場し、エルバフの地に伝わる〝神〟はそこに住む戦士達にとって非常に重要な存在であることが見てとれる。
戦いの神
第114話において、ドリーはエルバフを「戦いの神」と表現している。
エルバフという土地そのものを神と呼んでいる可能性もあるが、別の見方をすれば、エルバフという人物が実在したか、もしくはエルバフの地に伝わる神話や伝承に登場する可能性がある。
エルバフは戦士の服装や建物などから、北欧の海賊バイキングと関連が深い。作者の尾田栄一郎氏はバイキングを「好きな海賊の1つ」と公言しており、第2巻ではバイキングについて解説している。
戦利品を持ち帰り自分達の村を潤す事が男達の〝仕事〟だったのでした。まさに職業「戦士」。生涯を生き抜く戦いぬく事こそ彼らの誇りなのでした。
出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社 第2巻
また、北欧には『北欧神話』が存在し、この神話の最高神は戦争の神「オーディン」である。
『北欧神話』は〝神〟と「巨人」の戦争「ラグナロク」が描かれることから、エルバフの巨人の歴史には、バイキングが深く信仰した神話の物語がモデルになっていると考えられる。
〝高き言葉〟
エルバフが実在した人物である可能性をさらに高めるのはドリーの「エルバフの〝高き言葉〟」という発言だ。
これまでのエルバフに関する発言を振り返ると、過去に実在したエルバフという人物が土地の名前になり、そこに住む人々の信仰の対象になったと考えるのが自然かもしれない。
巨人エルバフ
「エルバフ」は英訳で「elbaf」と表記され、逆から読むと「寓話(fable)」という意味になる。
有名な『イソップ寓話』を作った「イソップ」はウソップの名前の由来になった人物である。
ウソップはエルバフの戦士に憧れており、ウソップは自らの夢〝勇敢なる海の戦士〟とはドリーやブロギーのような「誇り高い戦士」であると発言している。
寓話は「作り話」であることから、「エルバフ」も寓話の登場人物かもしれない。
物語の序盤から登場していながら、未だに全容が明かされていない「エルバフ」。エルバフの戦士達がこの「戦いの神」を崇拝する理由が今後明かされていくことだろう。
コメント