月と太陽
ワンピース世界における月の重要性についてはよく知られているが、月と対をなす存在の太陽はどうだろう。
実は、ワンピースは太陽に関する描写も非常に多く、重要性も月と同様に高い。
麦わらの一味が乗る船の名は「サウザンド・サニー号」であるし、古代都市シャンドラでは太陽神を信仰していて、エルバフでは冬至祭と呼ばれる太陽の死と復活を祝う催しが行われている。魚人が天竜人の奴隷の紋章を書き換え、結成した海賊団もタイヨウの海賊団であった。
ちなみに現実世界の歴史の中にも太陽や太陽神を信仰する国や地域は多く、神話の世界でも日本では天照大神、ギリシャ神話ではアポロン、エジプト神話ではラーなど数に限りがない。
古代などの科学が未発達の時代に太陽を信仰することは当然のことであるように思う。太陽がなければ辺りは闇に包まれ、作物などが育つこともない。加えて日食などの神秘的な現象を目の当たりにすれば、太陽を神格化することは必然だったといえる。
冬至祭も実際に存在するもので、日照時間が短くなる冬に太陽が死に、生まれ変わって復活するという考えから生まれたものである。古くはメソポタミア文明から行われてきた行事で、実はクリスマスも冬至に由来する行事だと言われている。
ワンピースの世界でも太陽は古代から信仰すべき対象であり、「空白の100年」から現在までを長い夜とするならば、歴史の影で脈々と意志を受け継いだ者たちは「世界の夜明け」、つまり太陽の復活を待っているのかもしれない。
世界の「夜明け」
世界の「夜明け」という言葉は、ペドロや光月おでんの発言の中に登場する。
「空白の100年」に滅んだ王国の存在と思想を受け継ぐ者たちが「夜明け」を待つように、太陽という存在はとても大きいのではないだろうか。
ワンピースにおいて太陽をシンボルとする国や組織は多く登場しており、それらには共通点ある。
まずはアラバスタの国旗だ。
アラバスタの国旗の存在を初めて知った人もいるかもしれないが、アラバスタ編でサンジが着ていた服に描かれており何度も登場している。
次に光月家の家紋。
ここにもアラバスタと似たような模様があるが、これは「九曜の紋」と言って実際に存在した家紋だ。
先述したものも合わせると太陽に関係の深い国や組織は以下のようになる。
- アラバスタ王国
- 古代都市シャンドラ
- ワノ国(光月家)
- 魚人島(タイヨウの海賊団)
- エルバフ
- 麦わらの一味
このように太陽に関係する国や組織を並べると、彼らが世界を「夜明け」に導くために重要な存在であることがわかる。
世界の「夜明け」を迎えるには彼らの存在あってこそ成り立つものであると感じる。
「太陽」という存在の大きさや、その重要性を理解することはワンピースを読む上ではこれから特に大切になってくるだろう。
コメント