【必読】ワンピースにおける「混血」の重要性について考える

ONE PIECE
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混血

 ワンピースにはこれまで様々な種族が登場し、種族同士の争いや差別・迫害の歴史が描かれてきた。

 作中において極めて重要な要素の1つと考えられるのが混血である。

 「混血」という言葉は「異なる人種、種族、民族の間で子供が生まれること、または生まれた子供」ことと定義されている。

遺伝

 一般的に生物の子供は、両親の特徴を有して誕生する。

これは「生命の設計図」である遺伝子、ワンピースでいうところの血統因子が親から子へ受け継がれるためである。

 遺伝のしやすさには優勢(顕性)劣性(潜性)があり、遺伝のしやすさによってどの特徴が遺伝するかが決まる。

 つまり異なる種族間で混血が行われた場合、多くの場合には遺伝のしやすい特徴が子供の特徴として現れる。

 これは混血が進めば進むほど顕著になり、遺伝しにくい特徴は最終的にはほとんど見られなくなる

 つまり、「翼がないから〝月の人〟のルーツを持たない」とは必ずしも言い切れない。

 一般的な個体より大きな人間は巨人の血を引いているかもしれないし、生まれ持った白い髪や褐色の肌、顔つきなどはルナーリアの血かもしれない。

 角が生えた人間は古代巨人族、翼を持った人間は〝月の人〟を祖先に持つのかもしれない。

魚人の遺伝

 魚人島編では、魚人と人魚の遺伝について説明がなされている。

魚人の遺伝(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 異なる海の生物の特徴を持つ彼らの遺伝は、少し混血に近いといえるかもしれない。彼らは他の種族とは違う遺伝をしていることがわかる。

混血種

 これまでに多くの種族ハーフが描かれており、巨人族と魚人族のハーフ〝魚巨人ウォータン〟や魚人族もしくは人魚族のハーフが登場している。

 特に85人もの子を持ちあらゆる生物を集めるビッグマムの家族には、三つ目族のハーフ、足長族や手長族のハーフ、手長族と足長族のハーフ、小人族のハーフ、蛇首族のハーフが存在する。

差別と混血

 魚人族に代表されるように差別の歴史を持つ種族は多く存在する。

 魚人島編に登場する奴隷解放の英雄フィッシャー・タイガーは人間の魚人族への差別と迫害を目の当たりにした過去から、人間の血を輸血することを拒んだ。

 これと対比する形で、戦いで血を流しすぎたルフィにジンベエが血を提供する場面が描かれる。

血と種族(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 これは本来の「混血」とは異なる「血が混ざる」という意味での「混血」にすぎないが、作中における混血の重要性を暗に表現しているのかもしれない。

 差別や迫害のない世界で最終的に行きつく先は異なる種族間に子供が誕生する世界である。

純粋な種族と混血した種族

 これまでに登場した種族には、古代巨人族のように現在では希少となった者も存在する。

 「種の淘汰」は種族間戦争の敗北などによる粛清によるものとは限らない。

 異なる種族同士が交友関係を深めた場合、混血が起こりやすくなる。差別や迫害のない自由な世界が歴史的に長期間続いた場合、それぞれの種はほとんど同質で身体的差異の少ない個体になっていく。

 現代に生き残る純粋な種族たちは隔絶された環境があったからこそ、その特徴が失われなかったともいえるのである。

 〝月の人〟のような青色の星にやってきた異星人がどの程度地上の生物の血に混じっているか、

 種族と混血。ワンピースにおける重要なテーマの1つなのかもしれない。

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