「ならばなぜ我々は――」
崩壊しゆく地下神殿の中、アラバスタ王家12代国王ネフェルタリ・コブラは考古学者ニコ・ロビンとの会話から、〝歴史の本文〟が「語られぬ歴史を紡ぐ石」であることを知った。
「ならばなぜ我々は――」
「巨大な王国」を滅ぼした「連合国」の1つでありながら、〝聖地マリージョア〟への移住を拒んだネフェルタリ王家の血を引くコブラの言葉にはどのような真意があったのか。
ネフェルタリ家と〝歴史の本文ポーネグリフ〟
コブラによれば、アラバスタの王家は代々「地下神殿」の〝歴史の本文〟を守ることが義務づけられているという。ロビンはこの「守る」という言葉に反応していた。
つまり、コブラはアラバスタの〝歴史の本文〟の真の役割を理解していなかった。その一方で、彼はその石に古代兵器〝プルトン〟の全てが記されていることを知っていた。
さらに、コブラはアラバスタの石には「この国の歴史は刻まれていない」とも発言している。
この発言はロビンがクロコダイルに対して、アラバスタの歴史を伝えることで〝歴史の本文〟の内容を偽ったことに由来する。
コブラの言う通り〝プルトン〟の全てが記されていたとすれば、その石には「ありか」だけではなく、その歴史や使用目的でさえも刻まれていた可能性が高い。
ネフェルタリ家と「世界政府」
ロビンとの会話の後、コブラは「政府」に問いたい事ができた。それは、「その昔ネフェルタリ家の王は世界に何をしたのか」ということである。
これは「ならばなぜ我々は――」に続く言葉に繋がる重要な問いである。
重要な謎の1つは、ネフェルタリ家に〝歴史の本文〟を守る事を命じたのは誰かという点である。
〝歴史の本文〟が運び込まれているという事実から、アラバスタの王家は何らかの「変化」によって〝空白の100年〟に滅んだ「巨大な王国」側の勢力になった可能性が高い。
〝五老星〟の「何かに気付いたか…」という発言から、「政府」はネフェルタリ家に隠していること、もしくはネフェルタリ家しか気付く可能性がない隠蔽事実があると考えられる。
1つの仮説
ワノ国編において、〝プルトン〟はワノ国に存在するということが判明している。
つまりネフェルタリ家は、かつて「世界政府」を創った「連合国」を裏切って「巨大な王国」側につき、プルトンの存在を隠していたと考えられる。
兵器がワノ国に眠っているという事実から、おそらくプルトンの存在を隠したのは「巨大な王国」であり、彼らが悪意のある人間から〝歴史の本文〟を「守る」ことを命じた可能性が高い。
コブラの疑問に続く言葉を自然に考えるならば、
「ならばなぜ我々は真実の歴史を語る石を守っていたのか」
となるだろう。
そして、語られぬ歴史の中で「ネフェルタリ王は世界に何をしたのか」、「我々はこれからどうするべきか」。これこそが崩れゆく地下神殿の中、コブラが思ったことではないだろうか。
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