【聖書とワンピース】地上に憧れる2種族と2つの方舟

〝空白の100年〟
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「方舟」

 ワンピースには「方舟」がこれまでに2つ登場している。それは空島スカイピアで登場した「方舟マクシム」と魚人島の「方舟ノア」だ。

 「方舟」といえば、旧約聖書の『創世記』に登場する「ノアの方舟」が有名である。ノアの方舟とは神が人類の堕落に怒って大洪水を起こそうとしたときに神の指示に従ってノアが造った舟であり、ノアの家族と雌雄一対のすべての動物を引き連れて乗り込み、人類や生物は絶滅を免れたと記されている。

 つまりワンピースで登場する「方舟」も「ノアの方舟」のような役割を持った舟である可能性が考えられる。

方舟ノア

方舟ノア(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 ノアの使用目的は既に判明している。地上に憧れを抱きタイヨウの下で暮らすことを夢見る魚人島の民を地上へ送り届けることだ。ノアを動かすには海王類の力が必要で、海王類を従えることができるのは古代兵器ポセイドンの力を持つ「しらほし姫」だけである。

ポセイドンの力(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 つまり、海の力を司る古代兵器を使って魚人島の人々を地上へ送るために造られた舟がノアである。ポセイドンは世界を滅ぼしうる兵器として恐れられた一方で、その力を魚人島の民の夢を叶えるために導こうとした人物がかつて存在したということだ。

方舟マクシム

方舟マクシム(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 エネルは自らが神隊に造らせた方舟マクシムに乗って〝限りない大地フェアリーヴァース〟に到達した。しかし、マクシムもノアのように何らかの目的のために存在する方舟だと考えると、ある可能性が浮かび上がる。

 魚人島の人々が太陽の下に暮らすことを夢見るように、雲の上に住む空島の人々は大地ヴァースに憧れている。つまり、彼らを〝大地ヴァース〟へ運ぶ舟こそがマクシムなのではないか。

月の古代壁画 (出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 月の古代壁画に描かれた月の古代都市ビルカの民は資源不足のために青色の星を目指した。エネルの故郷であるという空島ビルカの存在が彼らが青色の星に辿り着いていたことを示している。しかし、月からやってきた人々は何らかの理由によって〝大地ヴァース〟に暮らすことはできなかった。

 限りない大地フェアリーヴァースに帰る日を夢見ていたビルカの人々はいつしか、月に神が存在すると考えるようになった。空島の人々が〝大地ヴァース〟で暮らすにはもう1つの手段は青色の星に降りることだが、いずれにせよマクシムは空島の人々を〝大地ヴァース〟に運ぶために存在していると考えられる。

 しかし、ここで疑問が生じる。マクシムを造ったのはエネルなのだ。空島の民を不自然な存在として地上に叩き落そうとしていた人間が彼らのために方舟を造ったはずがない。

 つまりマクシムを設計した人物はエネルではない。マクシムの「設計図」については以下の記事で詳しく解説している。さらにマクシムの動力であり、月の古代都市の動力でもあった「電気」についても下記の記事で詳しく解説する。

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