【エジプト神話とワンピース】イム様とエジプト神「メジェド」の共通点

ONE PIECE
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メジェド

 古代エジプト神話に登場する神「メジェド」は古代エジプトでミイラとともに副葬されたという『死者の書』グリーンフィールド・パピルスの17章に登場する詳細不明の神である。

 『死者の書』はパピルス紙にヒエログリフで記された死後の世界の脅威を避けるための呪文や誓約書が集約された書物である。

 『死者の書』におけるメジェドを簡単に意訳すると以下のように記述されている。

「オシリスの家で彼らと共にいるメジェドの名を知っている。人知れず目で撃ち、人知れず口の炎で空を鳴らし、人知れずナイルの洪水を告げ知らせる者だ。」

[I know the name of that Medjed who is with them in the house of Osiris, who shoots with his eye without being seen, who rings the sky with the flame of his mouth, who announces the Nile flood without being seen.]

 オシリスはエジプト神話における冥界の神であり、「メジェド」とは古代エジプトにおいて「打ち倒す者」という意味を持つ。

イム様との共通点

 イム様とメジェドとの共通点は、まず何といってもその姿である。グリーンフィールド・パピルスに描かれているメジェドはイム様と酷似している。

メジェド(グリーンフィールドパピルス)

 「打ち倒す者」という意味を持つメジェドに対し、イム様は「歴史より消すべき灯」を選出することができる。

 そして、第1060話ではサボが潜伏していたルルシア王国に上空から雷のようなものが撃たれ、その直前にイム様の目が描かれてた。これは「目で撃ち」、「空を鳴らす」というメジェドの特徴をイム様も有している可能性が判明した。

 また、この上空から撃ち落された何かの影響で直後に津波が発生しており、「洪水を告げ知らせる者」というメジェドの特徴とも酷似している。

 さらに、イム様が世間の人間からはその存在が知られていないことから「人知れず」という特徴も持っていることがわかる。

宴だ!あつまれメジェドさん

 実はメジェドとワンピースは全くの無関係というわけではない。

 2019年11月にバンダイから「宴だ!あつまれメジェドさん」というコラボ商品が発売されている。

あつまれ!メジェドさん(BANDAI)

 さらに注目すべきは、この商品はルフィ、ゾロ、エース、エネルという4種の商品を展開していることだ。ルフィとゾロはまだわかるとして、このラインアップにエースとエネルが起用されたこと何らかの意図がありそうである。

 メジェドが「口の炎で空を鳴らす」ことから、〝メラメラの実〟の能力者だったエースとの関連は説明できる。後にこの実を引き継いだ「炎帝」サボがイム様の秘密を知ってしまうこともその関連を示しているといえる。

 空島編で登場した〝ゴロゴロの実〟の能力者エネルについては「雷」と「神」という共通点がある。また、空島編にはカルガラの娘ムースと結婚することになるセトという人物が登場するが、セトというのはエジプト神話の戦いの神の名である。

 ワノ国編の連載最中に登場したワンピースとメジェドという不思議なコラボは、イム様とメジェドとの共通点を踏まえれば納得がいくかもしれない。

アラバスタ王国とイム様

 これまで述べた通り、イム様のモデルが古代エジプト神「メジェド」であるとするならば古代エジプトと関係の深いアラバスタ王国とイム様にも何らかの関係があると考えられる。

イム様とビビ(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 ビビの母であるネフェルタリ・ティティは古代エジプト時代の有名なミイラ「ツタンカーメン」の義母にあたるネフェルティティをモデルにしていることから、イム様とネフェルタリ家の女性との間に何らかの関係があった可能性は高い。

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