〝ひとつなぎの大秘宝ワンピース〟の正体
海賊王の残した宝「ワンピース」の正体についてはこれまでに数多く考察されてきた。本記事では「ワンピースの正体」に関するこれまでにない新説を紹介する。
これまでの〝ひとつなぎ〟に関する説として、人と人が手を取り合う世界「人繋ぎ」や分断された海や大陸、国家が1つになる「ひと繋ぎ」などが有名である。
この〝ひとつなぎの大秘宝〟という言葉には、ひらがなで表された〝ひとつなぎ〟に複数の意味が含まれている可能性が高い。
この言葉がひらがなで表記されている理由は、複数の意味を含む〝ひとつなぎ〟という可能性が最も有力かもしれないが、これに加えてもう1つの意味が込められている可能性がある。
それこそが〝ひとつ凪〟である。
凪
青色の星には〝偉大なる航路〟を挟み込むようにして〝凪の帯〟という大型の〝海王類〟が生息する無風海域が存在する。
「凪」という言葉は「風がやんだ状態」を表し、海は波がなく静かになる。
また、〝ナギナギの実〟という〝悪魔の実〟は、一定空間に「凪」の状態を作ることが可能で、その空間では風、つまり空気の振動が起こらないため、音も消える。
一見、それほど重要そうには見えない「凪」という言葉であるが、〝麦わらの一味〟が最初に〝偉大なる航路〟に突入した際にこの海域の異常性が描かれている。
〝偉大なる航路〟突入直前の天候は「嵐」で、それと対照的に「凪」が描かれている。
また、魚人島を出航し、後半の海〝新世界〟に浮上するときも天候は「嵐」だった。
それとは対照的に、ルフィは女ヶ島やインペルダウンといった〝凪の帯〟に存在する島や施設を訪れ、さらに言えば、頂上戦争後にルフィが療養していた島も女ヶ島であり、2年間修行をしたルスカイナ島もこの無風海域に存在している。
嵐
〝D〟の名を持つ海賊トラファルガー・ローは〝D〟と嵐についてこれまでに2度言及している。
〝D〟の呼ぶ嵐とは、おそらく〝Dの一族〟が後に引き起こすことになる〝巨大な戦い〟の事を指している。
そして「また」という言葉からもわかるように〝D〟の関わった大きな戦争は以前も起きている。
これこそが〝空白の100年〟に起きた「巨大な王国」と、後に「世界政府」となる「連合国」の戦いではないだろうか。
ちなみにこのローの発言は〝凪の帯〟にある女ヶ島で最初に登場している。
マリンフォードにおける頂上戦争において、死の間際の〝白ひげ〟は〝巨大な戦い〟について言及した。
彼は遠い昔から脈々と受け継がれてきた数百年分の〝歴史〟を背負って世界に挑む者が現れることを予見した。
後に〝Dの一族〟が引き起こすとされる〝巨大な戦い〟を「嵐」と表現することには理由があると考えられる。
ルフィが「全面戦争」と宣言した〝鬼ヶ島〟での討ち入り当日も嵐だった。
光月家は〝Dの一族〟とも関係の深い石工の家系で、世界中に点在する〝歴史の本文〟を彫った一族である。
さらに言えば、ルフィは〝凪の帯〟にある女ヶ島、インペルダウンを経由して「頂上戦争」という「嵐」に参戦し、再び女ヶ島、ルスカイナ島に滞在している。
つまり、「凪」と「嵐」は明らかな意図を持って対照的に描かれている。
1つの〝凪〟
仮に「嵐」という言葉が「戦争」を表すのだとすれば、その対極にある「凪」という言葉は何を意味するのだろうか。
それこそが戦争のない平和な世界を意味する「凪」の状態である。
〝天竜人〟の支配する青色の星には、「戦争」「貧困」「差別」「飢餓」といった、人々が苦しむ世界が広がっている。
ルフィのいう「友達が腹いっぱいメシを食える世界」の延長線に彼とロジャーの〝夢の果て〟があるのなら、世界に苦しみのない「凪」の状態こそが本当のワンピースなのかもしれない。
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