【日本文学とワンピース】『花咲爺』

文学

『花咲爺』

 『花咲爺はなさかじじい』は室町末期から江戸初期に成立した昔話で、日本五大御伽噺おとぎばなしの一つです。

 東北や南九州に残る『雁取がんとり爺』などが童話化し、江戸時代の赤本『枯木に花咲かせ爺』などが初期のもので、明治にいたり巌谷小波いわやさざなみ らの作品により広まったとされています。

 昔々、心優しいお爺さんとお婆さんがいました。
 優しい夫婦は川で拾った犬を大切に育て、仲良く暮らしていました。

 ある時、犬が鳴きながら畑を掘っていたため、お爺さんがその場所を掘ると、中からたくさんの黄金が出てきました。

 隣に住む意地悪な爺さんはその犬を連れ去り、地面を掘らせました。けれども出てきたのは汚物ばかりで、怒った意地悪な爺さん犬を殺してしまいます。

 優しい夫婦はたいそう悲しみ、犬を埋めて墓を作ってやりました。
 すると、その墓から一本の木が生えてきます。お爺さんがその木で臼を作ってお餅をつくと、なんと臼から黄金がザクザク出てきました。

 再び意地悪爺さんがやってきて臼を奪いますが、やはり汚物しか出てこなかったため、腹を立てて臼を燃やしてしまいます。

 それを聞いた優しいおじいさんはその灰をまくと、枯れ木に花が咲き誇りました。その様子を見た殿様は大いに喜び、お爺さんを褒めて褒美を与えました。

 意地悪爺さんが真似をすると花は咲かず、殿様の顔に灰がかかって、罰を受けてしまいました。

ドラム王国の『花咲爺』

Dr.ヒルルクとDr.くれは(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 ドラム王国では「心優しいが腕のない医者の爺さん」「腕はあるが病人から金をふんだくる医者の婆さん」が登場します。

医者として最高の心と腕(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 ヤブ医者のDr. ヒルルクに拾われたトナカイのチョッパーは、ヒルルクから医者としての「最高の心」を、くれはから「最高の腕」を受け継ぎました。

〝ヒルルクの桜〟(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 ヒルルクはヤブ医者ではありましたが、かつて大泥棒だった自分を「不治の病」から救ったという美しい桜を咲かせるため、30年もの歳月をかけて研究を続けていました。

 海賊として旅立つチョッパーを見送ったのは、冬島に咲き誇る〝ヒルルクの桜〟でした。

 ワポルの暴政が終わり、国の名が消え去えたその土地に、やがて奇妙な国旗を掲げる「サクラ王国」が誕生するのは、もう少し先の未来のことです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました