【ワンピース考察】エメラルドの都はどこに存在していたのか

ワンピース研究・考察
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エメラルドの都

 エメラルドの都はルフィたちが空島に行く前に訪れたジャヤでのベラミーの発言でのみ登場するワンピース世界の伝説の一つだ。ベラミーはこの発言の中でエメラルドの都を、黄金郷、ワンピースと並べて存在するはずもない幻想だと主張した。

ジャヤでのベラミーの発言 (出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 しかし実際は、黄金郷は「突き上げる海流ノックアップストリーム」によって空に飛ばされたジャヤの片割れ「黄金都市シャンドラ」としてかつて存在しており、タイトルにもなっている海賊王の残した大秘宝「ワンピース」が存在しないということもあり得ない。つまり、エメラルドの都も存在している(していた)と考えるのが妥当だろう。

エメラルドと聞けば多くの人は宝石のエメラルドを想像するだろう。5月の誕生石であり、「愛の石」とも呼ばれていて、愛の成就という意味を持つ石である。

 エメラルドの都は童話「オズの魔法使い」に登場する都で、竜巻に巻き込まれてオズ王国に飛ばされてしまった少女ドロシーが、家に帰るために強大な魔力を持つ「オズの魔法使い」に出会うために目指す場所のことある。

 「オズの魔法使い」に登場するエメラルドの都はそのあまりの輝きのために緑の眼鏡を掛けている必要があり、あたりにはエメラルドが埋め込んであって緑の服に身を包む緑っぽい肌をした人々が生活する素晴らしい都だったと描かれている。

 しかし実際には緑の眼鏡によって一面が緑に見えているだけだった。しかもオズは魔法使いではなく単なるペテン師だったのである。

  ワンピース作中のエメラルドの都が、「オズの魔法使い」のエメラルドの都のオマージュであると考えると、作中にヒントが隠されている可能性は大いに考えられる。伝説や言い伝えとなっているものは、「かつて栄えていたものの今は失われていて、誰かが語り継いできたもの」と捉えられるため、かつてエメラルドの都と呼ばれる土地が存在していたと考えられる。

 エメラルドの都と考えられる場所はどこに存在していたのか、考察していく。

ドレスローザ

 ドレスローザはエメラルドの都の有力候補である。

 ドレスローザ編では「エメラルドの都」について発言した張本人であるベラミーが再登場しており、彼は空島で黄金郷の存在を確認したことで幻想を「バカげた夢だ」と笑うような人間ではなくなっていた。

 黄金郷に関するエピソードでは、400年前にうそつきの汚名を着せられ処刑されたモンブラン・ノーランドが思い出されるが、空島編では彼が小人の国について話すシーンが描かれている。

 実際にノーランドは植物学者としてドレスローザを訪れており、トンタッタ族はドレスローザに隣接する島「グリーンビット」に存在する小人族で、彼らは植物学者として400年前に訪れたモンブラン・ノーランドの像を立てており、ここでも「エメラルドの都」と並列して語られた黄金郷とのつながりが感じられる。

ノーランドと小人の国 (出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 小人族は植物の管理が得意で、その一人であるレオは緑の洋服に身を包み、彼らの住むグリーンビットは名前の通り、植物が生い茂る緑の土地である。

 小人族はかつてドン・キホーテ一族によって奴隷として虐げられており、ドン・キホーテ一族が聖地マリージョアに移り住み、新たな王が誕生するまで続いた。

トンタッタ族の歴史 (出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 この奴隷時代の描写では小人族の地下深くでの労働によって栄華を極める人間の姿が描かれているが彼らの指には宝石がはめられていて、その中にエメラルドのような宝石が確認できる。

 小人族は地下深くで、その自慢の腕力を使ってエメラルドの採掘をさせられていたのではないだろうか。

 そしてこれが「エメラルドの都」伝説の正体なのかもしれない。

 また、「オズの魔法使い」ではブリキの木こりとわたを詰められたわら、そしてライオンが登場する。ドレスローザでもブリキの兵隊(オモチャの兵隊)が登場し、綿のはみ出たぬいぐるみ、闘技場で闘獅子(ライオン)が登場している。「オズの魔法使い」にはジョーカーという道化師が登場してることも重要だ。

 このような関連からドレスローザが「エメラルドの都」である可能性は十分に考えられる。

 しかし、かつてのドレスローザが「エメラルドの都」だったとしても、それは小人族にとって辛い奴隷時代の話であり、ドフラミンゴを倒し、王位を取り戻したリク王家の統治するドレスローザが「エメラルドの都」になる日は来ないかもしれない。

アラバスタ

 アラバスタは砂漠の国であり全く緑とは程遠い存在だが、関連がありそうな設定がいくつか登場している。

 まずは緑の町エルマル。砂漠の国でありながら緑の町と呼ばれるのには違和感があり、アラバスタの町にはナノハナ、カトレア、スイレンなど植物に関するワードが登場している。

緑の町エルマル (出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 反乱軍リーダーであるコーザの父はトトという名前である。一方、「オズの魔法使い」の少女ドロシーの飼い犬もトトという名前なのだ。度重なる砂嵐に負けまいとユバという町を掘り続けるアラバスタのトトは、かつてはこの町が緑あふれる街だったと発言していた。

 アラバスタが存在する島はサンディ島と呼ばれており、これは砂を意味する「sandy」という言葉に由来すると考えられる。また、国王のコブラがアラバスタを「砂の国」たと表現していることからも、クロコダイルが現れる前から砂の国であったことがわかる。

 緑とは無関係の土地だと感じられるが、「オズの魔法使い」でドロシーが家に帰るためには砂漠を超えないといけないという設定があり必ずしも無関係というわけではなさそうである。

 「オズの魔法使い」でも、緑に覆われた(実際は違う)「エメラルドの都」の周りは砂漠が広がっていたのである。

終わりに

 以上のようにドレスローザ、アラバスタともにエメラルドの都の可能性がある。読んでわかるようにアラバスタは「エメラルドの都」と考えるには根拠が少なくドレスローザの方が「エメラルドの都」だった可能性が高いといえる。

 しかし現時点では真相は定かではないため「エメラルドの都」はかつてのドレスローザのことかもしれないし、はたまた別のどこかかもしれない。

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