『ジャックと豆の木』
『ジャックと豆の木』はイギリス、イングランド地方の代表的民話。豆の木を登って空の国に辿り着いたジャックが巨人に奪われた父の宝を奪い返し、巨人を退治するというお話である。
『北欧神話』に起源を持つとされるが、同種の物語はアメリカ先住民〝ネイティブ・アメリカン(特にインディアンと呼ばれた人々)〟の伝承など、各地に存在している。
空島編で登場したジャヤの先住民〝シャンディア〟はこの先住民をモデルにしている。
空の国と巨人
ジャックはある日、牛を売りに行く途中で出会った老人の「魔法の豆」と牛を交換してしまう。これに怒ったジャックの母が豆を庭へ投げると、その豆は一晩で大木に成長した。
ジャックがこの「豆の木」を登ると、そこには巨人の住む城があった――。
空島編では空の国〝スカイピア〟での冒険が描かれた。
空島編冒頭、空島への到達手段を求めてジャヤを訪れた〝麦わらの一味〟は、深い霧の中に浮かび上がる巨人の影を確認する。
後にこの巨人は太陽に照らされた空島の人々の影であることが判明するが、空の国と巨人の関連はジャックの冒険を彷彿とさせる。
父の宝
ジャックが巨人から奪い返した宝は主に3つ。竪琴、金の卵を産むニワトリ、金の袋である。
スカイピアに辿り着いた一味は、ハープを弾くスカイピアの住人コニスに出会った。ハープは代表的な竪琴の1つで、天使が弾く姿が様々な絵画などで描写されている。
そしてもう1つ、空島にはかつて地上にあったジャヤの黄金都市〝シャンドラ〟の遺跡、かつての〝黄金郷〟の姿があった。
ルフィは、エネルが奪おうとしたシャンドラの〝黄金の鐘〟を取り返すために戦った。ちなみに、空島を去る際に彼は「黄金を奪って逃げる」ことをナミに提案している。
大地
ジャックの父が巨人に宝を奪われたように、シャンドラの先住民〝シャンディア〟は空に住む人々に〝大地〟を奪われた。
400年前、ジャヤの〝黄金都市〟は〝突き上げる海流〟に乗って空へ運ばれ空島となった。〝黄金の鐘〟の音が空に鳴り響いた時、空の民とシャンディアの〝大地〟をめぐる戦いが始まった。
この物語はヨーロッパ人のアメリカ大陸征服によく似ている。大航海時代における新大陸発見の後、先住民達は文明を破壊され、土地を奪われ、ついには滅亡した。
巨大豆蔓
ルフィ達が〝突き上げる海流〟に乗って空島に辿り着いたように、ジャックは〝巨大な豆の木〟を登って雲の上の国に辿り着いた。
空島には〝巨大豆蔓〟と呼ばれる巨大な豆の蔓があり、その名から明白な『ジャックと豆の木』との関連がうかがえる。
物語終盤、ジャックが豆の木を切り倒したことで、巨人は墜落して死んでしまう。ルフィもまた、切り倒された豆蔓を伝って、エネルを倒した。
400年にも及んだ〝大地〟をめぐる戦いは戦いの始まりを告げた鐘の響きと共に終結した。空には、〝麦わら帽子を被った巨人〟の姿が映し出されていた。
巨人の墜落
巨人の墜落は空島編以降に描かれている。当時の四皇〝百獣のカイドウ〟は自らの死に場所を求め、〝空島からの飛び降り自殺〟を図った。
後にルフィはこのカイドウと対峙することになるが、この海賊団の〝大看板〟にはジャックという人物が存在する。
海賊ジャックは遥か雲の上、ゾウの背中にあるミンク族の国を急襲した。再び彼が現れた時、彼はゾウの一撃によって海に沈んだ。
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