海底大監獄「インペルダウン」
インペルダウンは凪の海内の海底に存在する世界一の大監獄である。2年前までは司法の島エニエスロビー、海軍本部とともに渦巻くタライ海流でつながれていた世界政府三大機関の1つだ。
インペルダウンは頂上戦争前にエース奪還のためにルフィが侵入したが、インペルダウンを描いたことには何か理由があるのではないかと考えている。
不夜島エニエスロビーも然り、世界政府に関係している施設の奇妙な地形や設定が全く触れられていないことは非常に不思議だ。
今回はインペルダウンの謎と歴史との関連、物語と今後どのように関わっていくのかを考察する。
奇妙な構造
インペルダウンは非常に奇妙な構造をしていて、LEVEL1からLEVEL6までの囚人を収容しているが、収容人数は下階に向けて次第に減っていくはずなのに下階に行くほど広くなっている。
インペルダウン編を見る限りでは非常に年季を感じる建物であり、元々は監獄としてではなく別の建物として造られた建造物の可能性が十分に考えられる。
インペルダウンのマーク
インペルダウンのマークにも注目していきたい。
これを見てまず、王冠と翼が描かれていることがわかるが、いずれもインペルダウン事態とはほとんど関連が見られない。翼に関しては、インペルダウンの看守たちの中に黒い翼を付けた者たちがいるが彼らの翼は黒であり、このマークの翼は白い色をしている。
このシンボルが意味を持って描かれたとすると、王冠や翼はどのような意味を持つのだろうか。
王冠から想起されるのは王国である。インペルダウンは城ともいえるような構造をしており、もともと城として建築された可能性が考えられる。
ではどのような国の王宮だったかといえば、翼を持った種族、つまり月の民の国だったとも考えられるのではないだろうか。
そうだと仮定すると、「青色の星」で王国を築いた月の民は何者かによって滅ぼされ、城が海底に沈められたという1つの考察が浮かび上がる。
こう考えることでインペルダウンのある謎が解決する。それは、インペルダウンの建築に関する謎だ。
インペルダウン編で描かれた監獄内を見る限り、インペルダウンは歴史的な建造物であることが覗えるが、遥か昔に海王類うごめく凪の海でこのような城を建造する技術があったのか非常に疑わしい。
インペルダウンが沈められたかつての王国だとするならばこの謎を解決することになる。
海底に沈んだ「アトランティス」と「ムー大陸」
海底に沈んだ文明の伝説として有名なのがアトランティスとムー大陸である。
アトランティスはプラトンが対話篇「ティマイオス」と「クリティアス」で述べている伝説上の島であり、大地震と洪水のために一夜にして海底に沈んだとされている。
一方、ムー大陸はアメリカの作家チャーチワードによって語られた伝説の大陸でこちらも大地震などの天変地異によって海底に沈んだとされている。
どちらとも学術的には存在が否定されており、伝説にしかすぎない存在だがインペルダウンが海底に沈んだ王国だと考えると、両者のいずれかに影響を受けている可能性が非常に高い。
まずアトランティスの王家はポセイドンの末裔とされている。国は豊かで強大な軍事力を持っていたが物質主義に走り、領土の拡大を目指したが国は荒廃した。その後アトランティス島は海底に沈められ、これは神々の罰だとされている。
この話を聞いてまず想起されるのは魚人島だろう。この島には古代兵器ポセイドンであるしらほし姫が存在し、かつて遠い昔にもポセイドンとされる人魚姫が存在したことが明らかになっている。
魚人島が海底に沈められた島かは定かではないが、魚人島がアトランティスの伝説をオマージュしている可能性が浮かび上がる。
次にムー大陸であるがこちらはどうだろう。ムー大陸の王は、太陽神の化身ラ・ムーであり、全世界を支配できるほどの高度な学問や文化を有している超古代文明だとされている。
太陽神を崇拝していることは翼を持ったシャンディアが想起される。また、月の古代都市にはロボットや電気を動力とする高度な文明があったことが示されている。
シャンディアは400年前に地上で黄金郷として栄えたシャンドラの末裔であるが、彼らに翼がある点や故郷について語られたときに月が描かれるなど、元々月からやってきた月の民である可能性が非常に高い。
これらを踏まえると月の民が作り上げた王国はムー大陸のオマージュとも捉えることができる。
海底大監獄インペルダウンは、月の民によって統治された王国の王宮が海底に沈んだ姿なのではないだろうか。
インペルダウンは英語表記では「impel down」であり、「impel」は「(風や波などが)押しやる」という意味があり、「down」は「低い方へ、下方へ」という意味を持つ。
インペルダウンが「(風や波が)下方へ押しやる」ことで形成されたとするならば、海底に沈んだ王国の姿がより鮮明に浮かび上がってくる。
古代文字
これは非常に有名な話であるが、インペルダウン内には古代文字が描かれている。
古代文字は現在はロビンのみが解読できるとされているが、超古代文明は失われた文字を使用していた可能性が非常に高く、今回の説の根拠にもなりうる。
海王類だらけの海中に建造物を建設することはほとんど不可能である。もともとは古代文字を使用していた古代文明に関連のある建造物として建設され、自然現象もしくは人為的な何かによって海底に沈んだと考えるのが妥当であろう。
インペルダウンの謎については根拠がそれほど存在していないものの、建設方法や構造上の問題など不思議な点の多い施設といえる。
これから歴史が明かされていく中でインペルダウンの謎についても明かされていくのか注目していきたい。
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