【ワンピース考察】命を削る「国宝」の存在と聖地マリージョアの「国宝」

ワンピース研究・考察
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ワンピースにおける「国宝」

 ワンピースにおける「国宝」という存在は、アラバスタ王国や魚人島のリュウグウ王国で登場している。アラバスタでは「豪水」、リュウグウ王国では「エネルギーステロイド」が国宝に指定されているが、いずれも一時的な力を得るために命を削るものであることが判明している。

 そして天竜人の住む聖地マリージョアにも国宝が存在している。元天竜人であるドンキホーテ・ドフラミンゴはその存在を知り、「オペオペの実」を手に入れることでその国宝を利用しようとしていた。

マリージョアの「国宝」と〝オペオペの実〟(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 マリージョアの国宝については未だに明かされていないが、ワンピース世界の「国宝」の特徴と「オペオペの実」の能力によってその全貌を探っていく。

「豪水」と「エネルギーステロイド」

 特に注目すべきなのは「エネルギーステロイド」である。魚人島編ではその力を利用して力を得ていたホーディ・ジョーンズ率いる新魚人海賊団が麦わらの一味と対峙した。魚人島編の終盤では、「エネルギーステロイド」の副作用により、老化した姿の新魚人海賊団の姿が描かれている。

国宝の副作用(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 魚人島の国宝は「玉手箱」に入っており、一見「浦島太郎」の物語に合わせて作られた設定のようだが、老化する代わりに力を得るということは非常に注目すべきポイントである。

 また、アラバスタの「豪水」は、一時の力を得るために命を削る水と言われていた。副作用としては老化するというよりは寿命が縮まるようだ。

「豪水」(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 多くの読者がここまで読み進めるまでに気づいているかもしれないが、これらの副作用を克服する能力がワンピース作中には存在する。

最上の業

 ドフラミンゴがマリージョアの国宝を利用して世界の実権を握るためには、おそらく「オペオペの実」の最上の業と言われる「不老手術」が必要であったと考えられる。

「不老手術」(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 「豪水」や「エネルギーステロイド」にしても「不老」という状態はそれらの持つ副作用を無効にしてしまう。

 仮にマリージョアの国宝が命を削る、もしくは歳をとるという副作用を持っていたとしても、「不老手術」を受けた人間にはそれが意味をなさない。

 だが最も重要な問題は、マリージョアの国宝の副作用ではなく主作用だ。世界の実権を握れるほどの力とは一体何なのだろうか。

不老の人間

 マリージョアの国宝の主作用を考える前に、まずはマリージョアの人間の中に「国宝」を副作用なく使用できる「不老手術」を受けた人間がいるのか考えておきたい。

 結論から言うと、おそらくマリージョアの人間の中に「不老」の人間が存在する可能性は高い。

 天竜人や世界政府の中にマリージョアの国宝を利用できる人間がいることで 、「空白の100年」が明けてから約800年もの長期間、世界の権力を握り続けることができたとすれば、納得がいく。現在世界の実権を握っている人物がマリージョアの「国宝」を操る不老の状態にあると考えられる。

 不老の人間とはいったい誰だろうか。

 可能性として一番高いのはイム様である。イム様は顔こそはっきりと描かれていないものの、その身長や身に着けている衣服の大きさ、蝶々を追いかける姿からも子供の姿である可能性が高い。

イム様(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 五老星も候補として考えられそうだが、「オペオペの実」の使用には医学の知識が不可欠であり、おそらく「不老手術」は短期間で何人もの能力者が使用できるような簡単な手術ではないだろう。

 〝空白の100年〟が明けてから現在までの800年という長い期間に5人の手術を行ったというのはあまり現実的ではない。そもそも能力の伝達条件を理解していない時代に能力者の死の後に再びその能力を回収することは困難を極める。

世界の実権を握れるほどの力

 以前、マリージョアの国宝について「悪魔の実のなる樹」だと考察したが、今回の考察では少し違う視点で考えてみる。

 命を削り、〝悪魔の実〟を生み出す力だと解釈することもできるが、悪魔の実は現在世界中に散らばっており、世界の実権を握れるほどの力を生み出すことは容易ではなさそうである。

 やはり世界の実権を握れる力であるからには、現在世界の実権を握っている人物が利用しているという可能性が最も高そうだ。

 例えば、先ほど不老である可能性について言及したイム様だ。20の王国の友好とたった1人の王の存在の否定、絶対的権力の否定のために存在する「虚の玉座」に座ることのできる唯一の人物で、実質的に現在の世界の権力を握っていると言えるだろう。

 イム様の力を示唆していそうなのは「歴史より消すべき灯」という描写だ。

歴史より消すべき〝灯〟(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 この表現はその人物を「殺す」という意味の「消す」ではなく、本当に歴史から消してしまう(誰の記憶にも残らなくする)とも捉えられる。

 ドレスローザ編で「ホビホビの実」によりオモチャにされた人物に関する記憶が忘れ去られたように、触れることなく存在自体を消すことができれば使い方次第で恐ろしい能力だといえる。

 しかし、未だにルフィやしらほしのような「世界政府」にとっての危険因子と思われる人間が誰の記憶からも消されていないのはなぜだろう。

 それは「歴史から消す」という行為自体に老化以外にも何らかの大きな制約があるからではないだろうか。不都合な人物を消すほどの強大な力を次々に行うことができていれば、〝Dの一族〟や「世界政府」非加盟国などは全てこの世に存在していないはずである。

 マリージョアに眠る「国宝」の詳細はまだわからないが、もし歴史から「世界政府」にとって不都合な人物を消すことができれば、誰にも気づかれることなく圧倒的な権力を維持し続けることが可能となるだろう。

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