【ワンピース考察】空島編から考える〝空の戦い〟と〝地上の戦い〟

〝空白の100年〟

〝大地〟をめぐる戦い

 〝麦わらの一味〟が訪れた空島スカイピアでは、400年前に〝突き上げる海流ノックアップストリーム〟により〝神の島アッパーヤード〟となった黄金都市〝シャンドラ〟をめぐる争いが行われていた。

 400年続くこの戦いの発端は、突如空に現れた人々の憧れ大地ヴァースを当時の〝神〟(スカイピアの長の称号)が奪ったことだった。

〝大地〟をめぐる戦い(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 およそ400年の間、戦いの中心はシャンドラの先住民〝シャンディア〟と、彼らの土地を求める空島スカイピアの人々の対立だった。

 しかし数年前、突如としてこの戦いに〝ゴッドエネルが介入する。

エネルとビルカ(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 〝空の戦い〟はこの第三者の介入によって一転した。エネルは〝ゴロゴロの実〟の持つ圧倒的な力により彼らを支配し、その全てを奪おうとしていた。

 この新たな〝〟の支配は、〝シャンドラ〟と同じように〝突き上げる海流ノックアップストリーム〟に乗って空島にやってきた海賊団の奮闘により終焉を迎えた。

〝赤い大地〟をめぐる戦い

 空島編で描かれた〝空の戦い〟に対比される、青色の星における〝地上の戦い〟は、赤い土の大陸レッドラインをめぐる数百年あるいは数千年に及ぶ戦いだ。

 800年前以降、この大陸の上には〝天竜人〟が住む〝聖地マリージョア〟があった。しかし、その遥か昔、この赤い壁の上には〝ルナーリア族〟の住む「神の国」があったとされる。

 〝神〟を自称するエネルが空に君臨したように、現在地上を支配するのは「世界政府」の創造した王族の血を引く〝神〟つまり〝天竜人〟である。

 かつて〝赤い土の大陸レッドライン〟の上に〝ルナーリア族〟の住む「神の国」があったように、エネルによる支配以前のスカイピアは〝神〟という長の称号を持つ者が治めていた。

 ここまでの対比を簡単に整理すると以下のようになる。

対比主要な対立軸第三者の介入と支配神による支配の終焉
〝空の戦い〟シャンディア
vs. スカイピアの住人
エネルの支配エネル
vs.〝麦わらの一味〟
〝地上の戦い〟????
vs. 〝ルナーリア族〟
〝天竜人〟の支配〝天竜人〟
vs.〝Dの一族〟
〝空の戦い〟と〝地上の戦い〟の対比

第三者

 ここまでの事実を総括すれば、〝天竜人〟は〝空の戦い〟におけるエネルと同様に、〝地上の戦い〟に介入した「第三者」だった可能性がある。

 つまり、後に「世界政府」を創り上げた20の王族が率いる「連合国」は、古代より続く何らかの戦いに介入して「巨大な王国」を滅ぼしたのではないだろうか。

巨大な王国(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 〝シャンディア〟がガン・フォールのような〝神〟の率いるスカイピアの人々と戦ってきたように、「神の国」に住む〝ルナーリア族〟すなわち〝神〟は、かつて何かと敵対していた。

〝神の天敵〟(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 〝ルナーリア族〟という種族に敵対した〝神の天敵〟こそが〝D〟ではないだろうか。つまり〝D〟とは、ビッグマムのいう歴史の彼方に消えた〝種族〟を指しているのかもしれない。

歴史の彼方に消えた種族(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 彼らの意志を継ぐ〝Dの一族〟は、800年前に「連合国」に敗北し、その歴史を紡いできた。

 その意志は〝空の戦い〟における第三者、新たな〝神〟の支配を終わらせた、〝麦わら〟の手によって終焉を迎えるのかもしれない。

〝D〟と〝神〟(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 最終的な関係をまとめるとこのようになる。

共通点対立軸①
(敗者 vs. 勝者)
対立軸②
(第三者介入)
(敗者 vs. 勝者)
介入者の支配支配の終焉
空の戦いシャンディア
vs.
スカイピアの住人
スカイピアの住人
vs.
エネル
エネルの支配エネル vs.〝麦わらの一味〟
地上の戦い歴史の彼方に消えた種族
vs.
〝ルナーリア族〟
「巨大な王国」
vs.
「連合国」
〝天竜人〟の支配〝天竜人〟vs.〝Dの一族〟
〝空の戦い〟と〝地上の戦い〟の対比

 〝神〟とその天敵の戦いに介入した新たな〝神〟が支配する世界は、〝D〟の名を持つ海賊達によって打ち砕かれるのだろう。

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