【ワンピース考察】黒ひげ=ケルベロス説の根拠とその可能性について考える

ワンピース研究・考察

黒ひげマーシャル・D・ティーチ

 黒ひげは「ヤミヤミの実」と「グラグラの実」の2つの悪魔の実を食べた黒ひげ海賊団の提督である。白ひげ海賊団在籍時に4番隊隊長だったサッチを殺して「ヤミヤミの実」を奪い、そのことがエース公開処刑による頂上戦争の引き金となった。

 モデルはおそらく実在した海賊「エドワード・ティーチ(通称:黒髭)」である。

 頂上戦争時に白ひげの「グラグラの実」までも奪い、現在2つの悪魔の実の能力を得ている。

 現在四皇の1人にまで位置づけられるようになった黒ひげはインペルダウンLEVEL6の囚人を含む10人の巨漢船長を有す大海賊団を率い、「能力者狩り」を行っているといわれている。

 黒ひげが「イヌイヌの実 モデル:ケルベロス」の能力者であるという説には、多くの根拠がある。今回はその根拠を上げていくとともに、実際にそうである可能性について改めて考察していく。

黒ひげ=ケルベロスの能力者の根拠

 まずは黒ひげがケルベロスの能力者であるという根拠と解決できると考えられる謎

  • 海賊旗の3つドクロ
  • ルフィとゾロの「あいつらだ」の発言の真意
  • 黒ひげは「眠らない」「人の倍の人生を歩んでいる」「体の構造が異形」
  • ケルベロスは3つの顔が交代で眠る
  • 悪魔の実を2つ食べられたこと
  • 変わる歯並び
  • ウソップのケルベロスに関する嘘
  • 幻獣種の存在が明らかになっている
  • エニエス・ロビーの裁判長〝三つ首のバスカビル〟と〝法の番犬部隊〟と「バスカビル家の犬」

黒ひげはケルベロスの能力者なのか

 先述した根拠をみると、ケルベロス説は根拠が多く、現実味のある仮説であるといえる。

 実はギリシャ神話における冥界の番犬ケルベロスは、同じくギリシャ神話に登場する冥府の王ハデスの支配下にある。ハデスはローマ神話では冥界を司る神プルートー(プルトン)にあたるようで、ここでもワンピースとの関連が推察される。

 今度は否定要素を考えてみよう。

 実は黒ひげがケルベロスの能力者であるという説は、あまりにも根拠が揃いすぎていることから逆に疑われているのだ。

 少し違和感を感じるのは、マルコのいう「体の構造が異形」という言葉で、黒ひげがケルベロスの能力者だと知っていれば使用しない表現なのではないだろうか。マルコ自身も幻獣種:不死鳥フェニックスの能力者であり、黒ひげが「ケルベロス」の能力者ということを知っていれば黒ひげに関する様々な謎には説明がつくため、本来それほど重要視される問題ではなさそうだ。

体の構造が異形(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 黒ひげが自らの意志で悪魔の実を2つ食べたことからも、2つ食べても死なないという事実を知っていたことは間違いない。その理由がケルベロスの能力だとしたら、そのことを誰にも話していなかったか、バンダー・デッケンのように悪魔の能力を引き継いでいて自分が能力者であることを最近まで知らなかったために白ひげ海賊団の船員はその正体に気づけなかったという可能性くらいしか考えられない。

 しかし、幻獣種は悪魔の実の中でもかなり特殊であるため、「体の構造が異形」という言葉もそれほど気にする発言ではないかもしれない。

 この仮説を否定するには「ケルベロス」のように黒ひげの「異形」さを示すことのできる根拠をそろえる必要がある。これだけ「ケルベロス」の力によって解決できる謎が多いと、他の説について考えるのは非常に困難だといえる。

ケルベロス説以外の仮説

 ケルベロス説は、様々な謎を解決しうる最も有力な説だが、近年は「体の構造の異形」さを説明する新説が登場している。

 黒ひげがタコの魚人の血を引いているという説だ。

 タコには実は心臓が3つあり、悪魔の実の能力を2つ食べることができた理由や海賊旗の謎を説明できる。黒ひげ本人が魚人の姿をしていないのは魚人とほかの種族とのハーフやクォーターだと捉えれば、ありえなくはない。

 ロングリングロングランド編のデービーバックファイトには「魚巨人(ウォータン)」という存在が登場している。また、百獣海賊団の大看板「ジャック」も魚人の血を引いている可能性があるが、彼らはいずれも人間の姿に近い姿をしていて口元が黒ひげとも似ている。

魚巨人(ウォータン)(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)
ジャック(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 デービーバックファイトは、黒ひげが現在拠点としている海賊島ハチノスで生まれたゲームであることからも、黒ひげと関連が深い。

 だが、問題は「眠らない」ことや「あいつらだ」という発言について説明することができないことだ。心臓が3つあったところで「あいつら」という表現にはいたらないのではないだろうか。少なくとも黒ひげには複数の人格が存在している可能性があるため、これらの問題を解決できないことにはケルベロス説ほどの有力さは今のところはない。

 だが、魚人に加えてほかの何かの種族の血を引いていれば解決できる問題もあるかもしれない。また、ドラム王国を襲撃したことで何らかの能力を得た可能性は十分に考えられ、完全には否定することはできないようだ。

結論

 黒ひげがケルベロスの能力者だという説は、シンプルかつ非常に筋の通った説であり、現在最も有力であることは否定のしようがない。

 だが、新たな説もこれからの展望次第では、可能性があるかもしれない。

 黒ひげの「体の異形」さに関する論争はこれからさらに熾烈になることが予想され、物語の最終ボスの可能性も高い彼の謎を解決する日が来ることはワンピース読者の夢である。

 

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