【ワンピース考察】ドラム王国の「万病に効くキノコ」とチョッパーが食べた〝ヒトヒトの実〟

〝悪魔の実〟
スポンサーリンク
スポンサーリンク

万病に効くキノコ

 「万病に効くキノコ」とは、ドラム王国でチョッパーがDr.ヒルルクと過ごしていた頃に聞いた守備隊の話に登場したキノコのことである。

キノコ(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 ドラム王国にあると言われていたこのキノコについては未だに明らかになっておらず、存在するのかさえもわからない。

 チョッパーがこの話を聞いたことによって、アミウダケを取りに行ったという経緯を踏まえれば、この「万病に効くキノコ」が重要な意味を持っていない可能性は十分にある。

 その一方で、このキノコの存在が真実だとすれば、チョッパーの「万能薬になる」という夢が叶うことになるかもしれない。

〝万能薬〟(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 しかし、チョッパーは自らが・・・「〝万能薬〟になる」ことを望んでいるため、万病に効くというキノコの存在はチョッパーの夢を本当の意味で達成させるとは言えない。

 実はこの問題を明快に解決する「キノコ」は既に作中に登場しており、それこそがチョッパーの食べた〝ヒトヒトの実〟である。今回はドラム王国の「万病に効くキノコ」と〝ヒトヒトの実〟の関係性について考察していく。

キノコとチョッパー

 考察を始める前に、改めてチョッパーとキノコの関係性についておさらいしておこう。

 先述のように、チョッパーはヒルルクの病を治すため、守備隊の話に登場した「万病に効く薬になるキノコ」を求めて旅に出た。

 全ての病気に「ドクロ」を掲げたというヒルルクの言葉を思い出し、図鑑にドクロマークとともに載っていた「アミウダケ」というキノコを採ってきてしまう。

 このキノコは毒キノコであり、口にしたら1時間も生きていられないほどの猛毒を持つ。チョッパーの優しさに胸打たれたヒルルクはアミウダケのスープを自らの意志で飲むことになる。

 チョッパーはこのことをきっかけとして「優しさだけでは人は救えない」ことを身を持って体感し、「なんでも治せる医者になる」という夢を持つことになった。

  ここまでがチョッパーとキノコの関係性を表す最も有名な過去である。しかし、チョッパーとキノコとの関係はもっと根深いところにある。

〝ヒトヒトの実〟(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 チョッパーが食べた〝ヒトヒトの実〟はキノコの形をしている。

 つまり、チョッパーはヒルルクに出会うよりも前に、「万病に効くキノコ」の話を聞くよりも前に、自らが人間として生きることを可能にしたキノコと出会っていたのだ。

〝ヒトヒトの実〟

 チョッパーの食べた〝ヒトヒトの実〟はDr.くれは曰く、「ヒトの能力」を得ることができる〝悪魔の実〟である。元々トナカイだったチョッパーが人間のように生活できているのが、この実のおかげだということは非常に重要な視点である。

 実は、単行本の質問コーナーSBSではかつて、「〝ヒトヒトの実〟を人間が食べたらどうなるか」という質問が取り上げられたことがある。

SBS(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 この質問に対し、作者の尾田栄一郎氏は「人と成る」という言葉を使って返答を濁したが、この言葉にはここで言及された意味以外に重要な意味が2つ存在する。

 1つは「一人前に成長する」、もう1つは「神などが人の姿をかりてこの世に現れる」というもので、後者はルフィが食べた神を宿す〝ヒトヒトの実〟と、前者はチョッパーの食べた〝ヒトヒトの実〟と関係がありそうである。

 ここで注目したいのはトナカイであったチョッパーが医術を身に着けるほどの知能を手に入れているという点だ。つまり、元々ある程度の知能を持つ人間がこの実を食べた場合、知能が飛躍的に向上するなどの、人間としてのさらなる成長が起こるということかもしれない。

チョッパーの夢と〝ヒトヒトの実〟

 ここまで述べてきたことを踏まえると、

チョッパーの食べた〝ヒトヒトの実〟が「万病に効くキノコ」である

という可能性が浮かび上がる。

 ドラム王国にあるキノコは「万病に効く薬になる」と言われて誰もが想像するようなものではなく、〝ヒトヒトの実〟を食べて「なんでも治せる医者になる」ことそのものを表しているかもしれない。

 チョッパーがそれを「万能薬になる」と表現していることからも、その可能性は十分に考えられる。チョッパーの夢は〝ヒトヒトの実〟というキノコによって叶えられるのかもしれない。

 この仮説の根拠を示す興味深い話として、ウソップがキノコ嫌いであるというものがある。

毒キノコ(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 この発言はチョッパーの登場よりずっと前の第46話で描かれたものである。実はウソップと「万病に効く薬」には深い関係がある。

伝説の薬(出典:尾田栄一郎『ONE PIECE』集英社)

 幼少期のウソップは病に伏せる母に「どんな病気もなおしちゃう伝説の薬・・・・・・・・・・・・・・・」についてのウソをついている。ウソップのウソは現実になるということが知られており、このウソも例外ではない。

 「万病に効く薬」に関するウソをついたことのあるウソップが、毒キノコ・・・・を食べたことがあるというエピソードは、チョッパーの「万能薬」になる夢と無関係とはいえない。

 もしチョッパーの食べた〝ヒトヒトの実〟がドラム王国の「万病に効くキノコ」ならば、チョッパーの夢が叶うだけでなく、ウソップの言う「あっちの海の向こうにある伝説の薬」に関するウソが現実になるということなのだ。

 チョッパーは自らが食べた〝ヒトヒトの実〟の能力を最大限活用することで、「万能薬」になることができるかもしれない。

コメント

タイトルとURLをコピーしました