【ワンピース考察】ワンピースにおける禁断の果実「悪魔の実」の存在の謎

ワンピース研究・考察

禁断の果実

 「禁断の果実」という言葉は現代では「不道徳や性に関する快楽を暗喩する言葉」として用いられるが、旧約聖書の『創世記』に由来している。禁断の果実とはエデンの園にある「知恵の樹」(「善悪の知識の樹」とも)になる果実のことで、アダムとイヴは、口にすることを禁じられていたこの果実をヘビに唆されて食べてしまい、無垢を失って、神に楽園から追放されてしまった。『創世記』の「禁断の果実」は、リンゴのような果実をイメージすることが多いが、トマトやブドウとする地域もある。

 ワンピース作中には「宝樹アダム」、「陽樹イブ」という『創世記』由来の名前を持つ樹が登場しており、ワンピースの「悪魔の実」もこの「禁断の果実」をモデルに作られた可能性が高い。

悪魔の実

 悪魔の実は海の秘宝ともいわれる果実で、口にするとある能力を得る代わりに海に嫌われ、カナヅチになる。

悪魔の実は様々な果実もモチーフにした形をしている。リンゴやバナナのような形をしたものがあるが、味は最悪というのが一般的だ。

悪魔の実(ONE PIECE 尾田栄一郎/集英社)

 「悪魔の実」がどのようにして世界に存在するのかは今のところわかっていない。

 能力によって超人パラミシア動物ゾオン自然ロギアに分類され、作中においても「悪魔の実」の存在は絶大で、多くの強者は悪魔の実の能力者である。

 「悪魔の実」は古来から存在すると考えられるが、古来には存在しなかったようなモノも能力として存在することから、悪魔の実がなる樹が存在し、時代に合わせて悪魔の実が出現している可能性がある。

悪魔の実はなぜ〝海の秘宝〟と呼ばれているのか

 なぜ海に嫌われ、カナヅチになる「悪魔の実」が〝海の秘宝〟と呼ばれているのだろうか。

 1つの仮説としては悪魔の実が海底に根を張る樹木になる果実だからだと考えられる。

 そうだとすれば、悪魔の実が〝海の悪魔の化身〟と言われる理由にも説明がつく。

 パンクハザードのスマイリーのように、「特定の条件下で行き場を失った悪魔の能力が、その場の果実に宿る」と考えると、通常の果実に悪魔が宿ることで悪魔の実になっているとも解釈できる。

 また、ドレスローザでドフラミンゴファミリーの下っ端が、「同じ能力を宿す悪魔の実は世界に1つしか存在せず、能力者が死ぬと世界中のどこかにその能力を有した悪魔の実が誕生する」と発言していたことから、悪魔の実が「海の悪魔が宿った普通の果実」という可能性も捨てきれない。

海の悪魔

海の悪魔の化身(ONE PIECE 尾田栄一郎/集英社)

 海の悪魔という存在は「旧約聖書」にも登場する。「リヴァイアサン」という名前を聞いたことがある人も多いと思うが、これは「旧約聖書」に登場する海中の怪物(海の悪魔とも)である。神が天地創造の5日目に作り出した存在で、その硬い鱗と大きさから「最強の生物」とも評される。

 「リヴァイアサン」と「悪魔の実」の関係性は見出せなかったのだが、伝統的にはクジラやワニ、後世には海蛇や竜の姿で描かれることもあり、ワンピースに必ずしも無関係とは言い切れないのである。

 「リヴァイアサン」は大航海時代の船乗りにも語り継がれていた伝説で、この生物の伝承に関するオマージュをワンピース作中に入れている可能性も少なくない。

これからの「悪魔の実」の重要性

 「悪魔の実」は、第1巻からここまでの間に幾度となく登場し続け、ワンピース世界において今も変わらず重要な存在である。

 この「悪魔の実」に関して、尾田栄一郎氏が十分な構想を練っていないとは考えにくく、何らかの形でその起源や存在の謎について触れられることであろう。

 巷には、「悪魔の実の能力者によってこの世界が形成された」という説など様々な「悪魔の実に関する説」が溢れているが、そのどれが答えなのかはまだわからない。

 しかし、「悪魔の実」にまつわる謎や「悪魔」の存在についても最近は本編で語られており、その秘密が明かされる日は近いかもしれない。 

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