くま生存説
バーソロミュー・くまは政府の人間兵器開発のため自らを実験体として提供し、頂上戦争におけるドンキホーテ・ドフラミンゴの発言によれば、最後の改造によって「死亡した」とされている。

しかし、くまは頂上戦争後の2年間サニー号を守っていた。くまが死亡する前に、ベガパンクとの間にサニー号を守るプログラムをするという約束をしたことによってもたらされたものである。
バーソロミュー・くまの肉体は世界会議編で天竜人の奴隷になっていることが発覚し、サボを筆頭にした革命軍が「くま奪還」に向けて動き出していた。
仮に遺体でも、くまの肉体が奴隷になっていることには抵抗があるため、救出に向かったことは不思議ではないが、マリージョアに潜入するという危険性の高さは計り知れないものがある。
革命軍の潜入目的は天竜人に「宣戦布告」することなので、「くま奪還」と「宣戦布告」の2つの目的のために「世界会議」が行われる時期を選んで危険を冒したと考えられる。
〝麦わらの一味〟にとって大恩人のバーソロミュー・くまの行動の目的やその生死については今後語られることが必ずあるはずだ。
今回はシャボンディ諸島編におけるある興味深い描写から、「くま生存説」を裏付ける根拠について解説していく。
くまとパシフィスタ
シャボンディ諸島編では「最悪の世代」を含む海賊達と天竜人を殴り飛ばしたルフィらを捕まえるべく、政府の戦闘兵器「パシフィスタ」と「戦桃丸」に加え、大将「黄猿」が上陸した。
「最悪の世代」の多くはくまの姿をしたパシフィスタと交戦したが、実はここに1つの謎がある。〝麦わらの一味〟は全員で力を合わせ何とか「PX-4」を倒したものの、直後に戦桃丸と「PX-1」が現れた。


そしてウルージやドレーク、ホーキンスはもう1体のパシフィスタと「黄猿」と交戦していた。〝麦わらの一味〟は絶体絶命のピンチをレイリーと本物のくまに助けられている。

しかし、シャボンディ諸島編ではもう1体のパシフィスタの姿をした人物が描かれている。それこそがキッドとローの前に現れた人物であり、この人物が本記事の重要な鍵を握る。
くまか否か
2年後にシャボンディ諸島に集結した〝麦わらの一味〟は再びパシフィスタと戦うことになるが、このとき登場したのは「PX-5」と「PX-7」で、それぞれルフィの〝覇気〟を纏った攻撃とサンジとゾロの攻撃を受けてやられていた。
ここで注目すべきはパシフィスタの製造番号である。2年後に登場したパシフィスタは、特定した海賊の名前や懸賞金額を発言している。
「PX-5」と「PX-7」は2年前に〝麦わらの一味〟追い詰めた「試作品」であるが、2年前のシャボンディ諸島では「PX-4」より後の番号を持った型は投入されていない可能性が高い。
実は2年前のパシフィスタで唯一言葉を話している者が存在する。それこそがキッドとローの前に現れた人物だ。
2年前に現れたパシフィスタで、製造番号が判明しているのは「PX-1」と「PX-4」である。ウルージ達が戦ったパシフィスタは製造番号こそ判明していないものの、手から〝ニキュニキュ〟の肉球攻撃ではなく、ビームを放っていたことからパシフィスタと断定できる。
ではキッドとローの前に現れた人物はどうだろう。実は彼らの戦闘だけ唯一最後まで描かれておらず、その人物がローとキッドを前にして手袋を外す描写だけで終わっているのである。

ローとくま
シャボンディ諸島における違和感は〝麦わらの一味〟と対峙した「PX-1」と「PX-4」だけ判明していることで他は判明していないという点だ。番号だけを見れば、島には「PX-1」から「PX-4」までの4体のパシフィスタが投入され、それぞれ「最悪の世代」と戦ったかのように感じられる。
しかし、キッドとローと対峙した人物だけはくまかパシフィスタかが実は断定できない。それこそこの人物が彼がバイブルを持っていないことぐらいしか根拠が存在していない。
キッドとローと対峙したくまの姿をした人物はいったい何だったのか。この人物が放った言葉は「トラファルガー・ロー」であり、2年前のパシフィスタが言葉を発さないことを踏まえて、この人物がくまだったとするとある可能性が浮かび上がる。

それは「くま生存」に、トラファルガー・ローが関わっているという可能性だ。2年後のパンクハザード編で判明した人格を入れ替える「シャンブルス」を使用すれば、くまを生かすことは可能なのだ。
この謎の人物はキッドと対峙していた時に現れたローに対して反応を示し、言葉を話したことは果たして偶然なのだろうか。
「入れ替え」に関する謎
ここまでの通り、唯一描かれなかった「キッドとローの戦闘」と「製造番号の錯覚」などの違和感を踏まえると、くまとローの間にある契約があったという可能性が浮上する。
だが、この可能性には解決すべき謎がいくつか存在する。まず第一に「いつ」入れ替えを行ったかという点は非常に重要である。くまは2年前のシャボンディ諸島に現れたが、〝麦わらの一味〟を飛ばしたくまには明らかにくま自身の自我が存在していた。そして頂上戦争の時点では最後の改造が加えられて死亡したことにされていた。
頂上戦争後の2年間サニー号をプログラムによって守っていたくまには既に意志はなく、ドフラミンゴの発言を踏まえればくまは頂上戦争時には既に死亡していた。
つまり、もしローが「シャンブルス」を行ったのであれば、少なくとも2年前のシャボンディ諸島におけるローとの対峙から頂上戦争までの間と考える方が妥当である。
このように期間的には「入れ替え」に関して何の問題もなさそうである。他の疑問としてはローはくまの「入れ替え」に関してどのような条件を提示したのか、またはされたのか、そしていったい何がくまの意識と入れ替わったのかという点が挙げられる。
だが、この2点に関しては何とでも説明がつきそうである。つまり、シャボンディ諸島編から導かれた「くま生存説」には一定の根拠があるといえるのではないだろうか。
この仮定を踏まえれば、革命軍がくまの本体を取り返そうとしていることにもある程度の説明がつくかもしれない。さらに、死亡したはずの頂上戦争時のくまが〝ニキュニキュ〟攻撃をしていることを踏まえると、くまは生きている可能性がある。
パンクハザード編で描かれた意識を入れ替える「シャンブルス」を受けたチョッパーのように、くまの肉体に〝悪魔の実〟の能力が残っている可能性が高い。
くまがもし生存しているのであれば今後再登場し、これまでの行動の謎について言及する可能性も高まり、〝麦わらの一味〟が感謝を直接伝えることも可能になる。
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