ルフィが死んだ?
ルフィはこれまで、多くの強敵を3度目の対峙で倒してきたが、ワノ国編〝鬼ヶ島〟におけるカイドウとの戦いは、これまでの「勝利の法則」が成り立たないものだった。
花の都、1度目のカイドウとの対峙は「雷鳴八卦」をくらって気絶、2度目はドクロドーム屋上から海へ落された。
これまでの法則に従えば、続くドクロドーム屋上でルフィは勝利を収めるはずだった。しかし、CP-0の乱入という不運により、3度目の敗北を喫した。
この敗北はルフィの〝悪魔の実〟「覚醒」のきっかけとなったが、これは3度目の敗北におけるルフィの「死」が大きく関係している。
二代鬼徹
ワノ国編冒頭、お玉と共に編笠村へ到着したルフィは、天狗山飛徹から〝二代鬼徹〟を借りた。
ゾロが〝三代鬼徹〟を手に入れた〝東の海〟編ローグタウンでは、この一派の刀は「腰にした者が必ず悲運の死を遂げた」と言われるほどの妖刀だと説明されていた。
この「〝鬼徹〟の呪い」こそがカイドウ戦におけるルフィの死を運命づけたと考えられる。
ホーキンスの占い
お玉を医者に診せるため編笠村を出発したルフィはゾロと再会を果たすが、そこに「最悪の世代」の1人バジル・ホーキンスが現れる。
彼の占いによれば、ルフィとゾロの1ヶ月の生存確率は「19%」という非常に低いものだった。これもルフィ死亡の伏線と考えられ、ゾロもまた、キングとの戦いの後に死神を見ている。
実際に、ホーキンス自身は〝鬼ヶ島〟決戦中に自らの生存確率を占っており、「1%」というルフィやゾロよりも低い確率だった。彼は決戦後に死亡している。
神の復活
「神の復活」は多くの神話や伝承として語り継がれてきた。
キリスト教におけるイエス・キリスト、エジプト神話におけるオシリス、北欧神話のオーディン、日本神話ではイザナギが死から復活を遂げたとされる。
さらには、ルフィのモデルとなったインド神話の〝猿神〟ハヌマーンもまた「果物と間違えて太陽に近づき、インドラのヴァジュラで顎を砕かれて死んだ」とされ、後に復活を遂げている。
つまり果物と間違えて〝太陽の神〟の実を食べたルフィもまた、金棒を食らって死亡したのだ。
空島編では、ワイパーの〝排撃〟をくらった〝神〟・エネルが〝ゴロゴロ〟の能力で心臓をマッサージして死から復活している。
ちなみに、ローグタウンで処刑されそうになったルフィを救ったのも雷だった。
カイドウに敗れたルフィもエネルと同様に、「覚醒」による「心臓の鼓動」により復活を遂げたと考えられ、「ドンドットット」という「解放のドラム」の音は、エネル撃破の後の宴で描かれている。
人と成る
作者の尾田栄一郎氏はかつて読者からの質問コーナーSBSでこのような発言をしている。
〝人と成る〟という言葉には「神が人の姿をかりてこの世に現れる」という意味があり、つまりは死を迎えたルフィの姿をかりて、ニカがこの世に顕現する未来を示唆していたと考えられる。
しかし、 心身が追い付いていない場合に強制的に「覚醒」した〝動物系〟能力者は、インペルダウンの獄卒獣のような能力に取り込まれた状態となってしまう。
つまり、〝ニカ〟がルフィの体を乗っ取ったわけではなく、ルフィは「覚醒」の鼓動により蘇生し、〝ニカ〟のさらなる力を得ただけである。
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