バンダー・デッケン
バンダー・デッケン(九世)は魚人島編でホーディ・ジョーンズと共闘し、麦わらの一味や魚人島の民を苦しめた「マトマトの実」の能力者の海賊である。
彼の乗る「フライング・ダッチマン」という海賊船は、近代のイギリスの伝承にも登場する伝説の船で、ワーグナーのオペラにも登場している。実際の伝説は、喜望峰近海でオランダ人の船長が風(あるいは神)を罵ったことで呪われ、船は幽霊船となり、船長はたった1人で永遠にさまよい続ける運命となったとされている。
一方、ワンピースに登場するフライング・ダッチマン号は、数百年も昔の大嵐時に突然錯乱した海賊船の船長が部下を次々に海へ投げ込んで皆殺しにし、神にさえツバを吐いたことで神の怒りを買い、永遠の拷問を受けながら海をさまよい続けることを運命づけられたと言われている。
「マトマトの呪い」と「空白の100年」
実際には、ワンピースに登場するバンダー・デッケンは数百年も生きて深海をさまよっていたわけではなく、悪魔の実の呪いとフライング・ダッチマンを子孫が受け継ぐことで、深海をさまよい続けていた。
魚人島編で登場したバンダー・デッケン九世は、マトマトの実を食べたというよりは遺伝のように世代を超えてその呪いを受け継いでいるという表現がされている(しかし、その「マトマトの呪い」がどのようにして伝達されているのかは今のところ全く判明していない)。
つまり、数百年前の初代バンダー・デッケンもマトマトの能力を有しており、先述した「船員を海に投げた」という伝説は子孫のバンダー・デッケン九世と同様に、ポセイドンとして生まれた当時の「人魚姫にストーカー行為をしていた」のだろうと考えられる。
伝説になった初代バンダー・デッケンは魚人島に行きついたものの、リュウグウ王国で息絶えたと言われているがその原因はわかっていない。
数百年に一度しか生まれないといわれる人魚姫と同時代を生きていたということは、初代バンダー・デッケンは「空白の100年」前後に生きた人物である可能性が高く、デービー・ジョーンズと並んで恐れられていた当時の深海の海賊なのかもしれない。
これから物語が進み「空白の100年」の謎が明かされるにつれて、バンダー・デッケンやマトマトの呪いの真実が描かれることになるだろう。
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